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実績生かし
新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008020700024&genre=J1&area=S10
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元urltop:
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写真:
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鎮守の森の植生などを調査する市民グループ「淡海の杜の会」が今年から長等神社(大津市)境内の御神木を再生させる計画に取り組んでいる。推定300年のカツラだが、葉の付きが悪くなって衰弱してい
る。養分を吸収する根の周辺環境を整えて本来の生命力を高める筋書きだ。三井寺のシイ老木も軌道に乗せた実績があり、「再生請負人」が再び手腕を振るう。
長等神社は貞観2(860)年、園城寺(三井寺)の開祖円珍が日吉大神をまつり、鎮守社にしたという。カツラは樹高が約14メートル、幹周りが約3メートルの大木で、市の保護樹木にも指定される。樹木の下部は青々とし
た葉が茂っているのに対し、上部はほとんど葉が付いていない。会員は「土壌の栄養不足で飢餓状態だ」と心配する。
樹木の状態を見かねた会員が神社側の了解を得て、1月から作業に掛かった。スコップなどで土を掘り起こし、養分となる落ち葉を混ぜた。今後は神社側と相談し、方法を決めていく。
会が初めて再生に携わったのは2006年6月末のこと。三井寺境内のシイの老木5本だ。地面が踏み固められ、根から養分が吸収できにくくなっており、幹の空洞化や腐食が進んでいた。
まず地面を軟らかくするため掘り起こし、幼樹を植えた。人が入れないように周囲にくいも打った。自然の状態に近づけるためだ。翌年には例年より、青々した多くの葉や実を付けるなど変化が見られた。会員は「樹木の
ことなのでわずか1年で結論は出せないが、方向として間違っていなかった」と自信を見せる。
会長の森川稔さん(56)は「県内の多くの寺社で老木が目立つ。会の活動だけでは限られたことしかできない。取り組み自体は専門性もあまり必要ない。私たちの活動は(樹木を再生させる)取り組みを広げる呼び水にな
れば」と話している。
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このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。
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