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ID 59
登録日 2006年 1月18日
タイトル
茶の機能性/新たな需要創造に期待
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新聞名
日本農業新聞
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元URL.
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/column/0601/16.html
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元urltop:
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写真:
 
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今年の春の花粉飛散量は少ない見込みだが、花粉症に悩む人にとってはそろそろ対策を気遣う時期になってきた。予防のために内服薬を使い始める人もいるが、できるだけ薬に頼らないようにと、アレルギ ー症状を和らげる効果があるとされる食品への関心が非常に強い。最近、注目度を高めているのが茶の機能性だ。産官学の連携で抗アレルギー茶の飲料が商品化された。新たな用途が茶の需要を掘り起こし、生産振興 につながるように望みたい   農水省農林水産技術会議が昨年暮れにまとめた「2005年10大研究成果」では、アレルギー関連の2テーマが挙がった。この分野の研究を時代が求めていることを、あらためてうかがわせた   その一つは、スギ花粉症緩和米の効果を確かめたこと。もう一つが、花粉症などのアレルギー症状を抑える働きがあるメチル化カテキンを多く含む茶「べにふうき」を使い、ペットボトル飲料を商品化したことだ   「べにふうき」は本来、紅茶・半発酵茶用の品種。ところがメチル化カテキンは発酵や熱に弱く、紅茶にすると消えてしまう。緑茶だと効率良く摂取できるが、緑茶用の品種に比べると渋みや苦みが強い。農業生物研究機 構・野菜茶業研究所を中心とした産官学の共同研究で、機能性の解明や、課題を克服しながら商品化にこぎつけた   共同研究にかかわる飲料メーカーが昨年1月、4000ケース(1ケース=350ミリリットル入りペットボトル24本)を試験販売したら、たちまち完売した。今年も通信販売に限定して18日から売り出す。昨年の7倍を超す3 万ケースを計画、暮れからの先行予約も順調だという。同じく共同研究に加わる製菓会社は、キャンデーの試験販売を予定する   「べにふうき」は、野菜茶業研究所(当時は農水省野菜・茶業試験場)が育成し1993年に命名登録された。一部の篤農家らが紅茶作りに導入していたが、メチル化カテキンの解明により、本来とは別の用途で活路が開け 、生産に弾みがついている。鹿児島県ではペットボトル飲料向けを中心に2004年の栽培面積が23ヘクタールとなり、05年はさらに増えた。静岡県でも、独自の緑茶製品用に作付けを増やす農業生産法人がある   メチル化カテキンは、よく開いて成熟した葉や夏場の茶に多く含まれるので、一番茶より二、三番茶を重視した生産体系となる。一般の緑茶と労力を分散しながらの導入も可能だろう。これまで緑茶を作っていなかった 地域でも栽培が始まった   定着するかどうかは将来の需要いかんとはいえ、画期的な用途開発が「べにふうき」を表舞台に引っ張り出したことは間違いない。今後、さまざまな食材・農産物に新たな光を当てるような、試験研究の推進とその成果 に期待していきたい。
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このページの公開日は1999年11月11日。最新更新日はです。

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