ID 5345
登録日 2007年 11月11日
タイトル
よみがえれサクラ 豊田・大安寺で“樹勢回復作戦”
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20071113/CK2007111302063834.html
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元urltop:
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写真:
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豊田市大野瀬町(稲武地区)の大安寺にあるシダレザクラの樹勢回復作業に、地域住民や樹木医が取り組んでいる。近年は枯れ枝が目立つ「地域のシンボル」が再び満開になるのを、住民は期待している
このサクラは約90年前、同じ稲武地区の瑞龍寺のシダレザクラ(県指定天然記念物)から分かれた苗を当時の住職が植えた。木は高さ15メートル、幹回り2・7メートルまでに成長。近所の人が花見をしたり、木陰で涼ん
だりするなど「地域のシンボル」となった。枝が広がる姿は近くを通る国道153号からも見え、県外から毎年写真を撮りに訪れるファンもいたという
しかし、約5年前から、花の大きさが半分になり、枯れ枝が目立ち始めた。観光客などが「勢いがなくなった」と残念そうに話すのを聞いた地元住民が、木を回復させる活動を始めた
住民は肥料を与えるなど試行錯誤を続けたが、木の衰えはとどまらず、2年前に県樹木医会に相談。専門家の調査の結果、根を枯れさせるベッコウダケの存在や、土が固くなって根の成長を止めていることなどが判明
した
市の史跡名勝天然記念物保存整備事業として、7日から作業が始まり、保存会の住民や樹木医ら10人が枯れ枝を切り、幹に付いたこけを取り除いた。来月までに、堆肥(たいひ)を混ぜた土を入れ、根の殺菌や周辺へ
の柵の設置などをする予定
大野瀬町では高齢化が進み、大安寺は今年から住み込みの住職がいなくなるなど、地域の活気が失われつつあるという。保存会の小木曽紀雄会長(65)は「もう一度見事な花をつけて、人が集まってくる木になってもら
いたい」と話していた。
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