ID 5270
登録日 2007年 11月 7日
タイトル
巨木との格闘結実 南日美展・海老原賞の宮薗さん
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新聞名
南日本新聞
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元URL.
http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=7534
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元urltop:
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写真:
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第62回南日本美術展(南日本新聞社主催、浜田酒造グループ特別協賛)に、巨大なクスノキの根を使った立体造形作「あわあわ」を出品、第19回海老原賞を獲得した宮薗広幸さん(46)=鹿児島市桜ケ丘8
丁目。昨年の同展最高賞受賞に続く栄誉に、「年齢的に欧州留学はもうないのではと思っていただけに驚き。イタリアの古典とイギリスの現代美術を存分に吸収してきたい」と喜びを語った。
受賞作は2つの巨木のかたまりが絡み合い、絶妙のバランスでそそり立つ。建畠晢審査委員長は「有機的な力のうねりとボリューム感をうまく表し官能的ですらある」と絶賛。宮薗さんも「ここ数年は巨木との格闘を形に
している。昨年の作品にはなかった冒険心や攻撃性がうまく表現できた」と満足げだ。
兵庫県尼崎市生まれだが、幼少のころ両親の出身地である鹿屋市に移った。鹿屋高校で、同じく海老原賞を受賞した田代紀之氏からデッサンを学んだ後、武蔵野美術大造形学部彫刻学科に進学。教職に就くと奄美の中
学を皮切りに、2年前から松陽高校で教える。
これまで手掛けた作品は、県庁広場や鹿屋市役所前庭にも置かれている。彫刻の魅力について「巨木は乾燥のため3-5年寝かさなければならず、素材の調達や管理も大変。しかし、究極の手仕事から自分の分身が生
まれる瞬間が何ものにも替え難い」と話す宮薗さん。念願の欧州留学決定に「今後の創作の糧もだが、アートと街づくりの在り方についてもぜひ学びたい」と夢を膨らませた..