ID 46
登録日 2006年 1月14日
タイトル
県天然記念物のクロマツ樹勢回復ならず伐採 吉良の勝楽寺で19日
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20060114/lcl_____ach_____007.shtml
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元urltop:
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写真:
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足利尊氏が植えたと伝わり、県天然記念物に指定されている吉良町小山田、勝楽寺の名木クロマツの大樹が枯れ、十九日に伐採されることになった。樹齢六百六十年以上でクロマツとしては県内一の高さ。
「回復の見込みがない」と判断された結果だが、関係者からは伐採を惜しむ声が出ている。(桜井 孝雄)
クロマツは根回り七・八メートル、高さ約三十メートル。勝楽寺の寺伝では室町時代に足利尊氏が寺の建立に際し、自ら植樹したとされている。
二年ほど前から突然、枯れ始め、寺は松くい虫の被害とみて昨春、樹木の専門家、岐阜大の林進名誉教授に診断を依頼。「松くい虫用の薬剤を幹に注入しすぎでは」と薬害を指摘され、防虫剤散布と樹勢回復の特殊肥
料をやりながら再生に望みを託していたが、かなわなかった。
昨秋からは、風が強いと枝が折れて落ちるようになり、寺は防護柵を作り頭上注意の張り紙をして周囲を立ち入り禁止にしていた。現在、葉はすべて茶色に変色している。
昨年十二月、県の担当職員らが寺を訪れ、枝の一部を切って検査。この結果を受け、林名誉教授は「枝は完全な乾燥状態にあり、枯死している。回復は不可能で伐採はやむを得ない」と結論を出した。
伊藤泰仁住職は「何代にもわたって引き継いできた松が枯れるのはとても悲しい」と肩を落としている。県教育委員会は「県天然記念物が枯れて伐採するケースは近年ではない。クロマツは県内一の大樹で樹勢回復で
きず、残念」と話した。
寺は、十八日午後三時から樹木の供養をし、参列者をお汁粉や甘酒で接待する。十九日は午前八時から百トンのクレーン車で枝などをワイヤロープでつり、突然の倒木の危険を防いだうえで枝、幹の順に伐採する。
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