ID 4154
登録日 2007年 6月21日
タイトル
先輩たちの6000本が5メートルに成長 東海大四中、定山渓ダム湖畔に植樹
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/sapporo/33470_all.html
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元urltop:
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写真:
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10年がかりで南区の定山渓ダム周辺に植樹してきた東海大四高中等部が20日、最後の植樹を行った。札幌の水源を緑で守ろうという取り組みで、荒地が10年かけて緑あふれる林に変わり、生徒たちは成果
を実感している。
同校と交流のあった道工業大の岡村俊邦教授が環境教育の一環として提案し、一九九八年に始まった。大学構内の林から樹木三十種の種を採取し苗木まで育て、三年目からダムの湖畔の国有地に植えてきた。
これまでハルニレなど約六千本の苗を国有地約三ヘクタールに植え、現在はそのうち七割の約四千本が高さ五メートル程に成長している。国有地を管理している開発局石狩川開発建設部の山田拓也維持管理課長は「
林が形成されたことで地面が安定し、降雨による地面の侵食を防いでいる」と、同校の取り組みで変化した周辺の様子を説明する。
最後の植樹では、二、三年百三十人が二、三人一組になってシラカバやトドマツなど三十六種、六百本の苗を植えた。この苗も生徒らが種から育ててきたものだ。毎年秋に大学構内に落ちているドングリやオニグルミ
などの木の種を集め、それを発泡スチロールに敷き詰めた土に入れ、苗まで成長させてきた。
同校中等部の松木道子教頭は「子供たちはこの日をとても楽しみにしてきたんです」と目を細める。
当初は「どうして木を植えるのか」と戸惑い気味だった生徒たちも、今では植樹の必要性を理解し積極的に取り組んでいる。岡村教授は「この森が多様性をもち、自然の状態に近づけるよう、今後も生徒たちと経過を見
ていきたい」と話す。
三年生の藤田耕己君(15)は、先輩たちの植えた苗が成長した林を見ながら「自分の植えた苗も時がたったら、ああやって林になっていくんだな」と感慨深そう。植樹後、岡村教授は「十年たったらここに来て、見に来て
ください」と呼びかけた。
敷地面積が足りなくなったために植樹は終了したが、同校は今後も校内に花を植えるなどして、環境美化運動を続けていくという..