ID 4052
登録日 2007年 6月10日
タイトル
被爆2世ザクロ開花 長崎・榊さん「父の形見」
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新聞名
長崎新聞
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元URL.
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji2/2007061102.shtml
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元urltop:
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写真:
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被爆しながらも再び芽吹いたザクロの木の枝を挿し木した「被爆二世ザクロ」が、長崎市泉一丁目の榊安彦さん(70)方の庭ですくすくと育ち、かれんな朱色の花をたくさん咲かせている。
「被爆二世ザクロ」は樹齢四十一年。親木は爆心地から約一・五キロの榊さんの生家にあったが、一九六六年以降に切り倒されたという。山王神社(長崎市坂本二丁目)の「被爆クスノキ」の治療をしている樹木医、海老
沼正幸さん=同市多以良町=は「被爆二世のザクロは聞いたことがない。珍しいと思う」と話している。
「被爆二世ザクロ」は六六年、榊さんが生家から転居した際、親木から枝を取り庭に挿し木した。現在、樹高約三・五メートル、幹回り二十センチ弱に成長している。親木は、原爆で亡くなった父安五郎さん=当時(54)=
が生家の庭先に植樹した。被爆した後も驚異的な生命力で芽吹き、翌年秋にはたわわに実を付け、食糧不足に悩む住民に喜ばれたという。
「二世」の花は約三センチ。今年初頭、伸びた枝を切り、有機肥料を与えると、五月に入り例年より非常に多く花を付けた。親木を知る人も、懐かしがって見に来ている。榊さんは「土地を残してくれたおやじに感謝しよう
と挿し木したら、こんなに大きくなった。爆心地から一・五キロ以内で生き残ったザクロの木はないと思う」と話している..