保存活動を進めるのは本宮地区を中心とする住民組織「地域まちづくり懇話会」(和井内和夫代表)。これまでにも盛南地区開発に伴う古樹木や水辺の保全に取り組んでいる。
ヤナギ・サクラは河北公民館近くの南川堰(せき)沿いにたたずむ。柳はシロヤナギ、桜はエドヒガンで、推定樹齢は200-300年とみられる。柳は高さ約18メートルで、幹回りは約5・5メートル。一般的に柳の木が 大きな傷や腐敗がない状態で巨木に成長するのは珍しいという。
同地区では、亡くなった馬や犬の供養に挿した一本の柳の木が成長したと伝えられる。すぐ脇に芽を出した桜は地中で柳の根と合体して成長。現在は満開の花が咲き誇り、新緑の美しい柳とともに道行く人の目を楽 しませている。
土地区画整理の計画では、ヤナギ・サクラの場所が国道46号盛岡西バイパスと都市計画道路の交差点に重なる。事業が始まった15年ほど前には保存を求める声はあったが、具体的な話し合いの場はないまま時 が経過した。
同会は「地域に親しまれた珍しい木が切られるのは盛岡にとっても大きな問題になる」と保存を検討。樹木医の診断や地域住民の声を聴いて歩いた。
同会企画担当の吉田久男さんは「保存を願う住民は多い」と話し、「道路設計を少し変えることで切断は免れると思う」と連休明けにも事業を進める都市再生機構との話し合いを進めたい考えだ。
このページの公開日は1999年11月12日。最新更新日はです。