ID 3563
登録日 2007年 4月18日
タイトル
「一本桜」に感謝の手紙 便せん3枚、枝に掛けられ
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新聞名
福井新聞
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元URL.
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news2/article.php?storyid=589
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元urltop:
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写真:
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「一本桜さん ありがとうね」―。福井市上森田町の畑に立つ地域のシンボル的な桜に、名前のないお礼の手紙が掛けられていた。「大きな力と望みを持たせてくれた」などとしたためられており、長年桜を見
守ってきた一家は「手紙が添えられるなんて初めて。温かい気持ちになった」と顔をほころばせている。
鈴木公宏さん(76)の畑の一角に60年以上前からたたずむ桜で、老い桜ながら見事な枝ぶり。満開になると近くの森田東保育園児が記念写真を撮ったり、写真家が訪れたりする。畑の前は森田小、森田中の通学路にも
なっていて、子どもたちに親しまれている。
車を止めてひとしきり眺めていくドライバーも多いという。近所の人は「この辺りのシンボルみたいなもの」と話す。
「大きな一本桜さんへ」と題した手紙はビニール袋に入れられ、枝に掛けられていた。便せん3枚で日付は4月6日。「桜さんとってもすてきよ。今年も満開の花をいっぱい咲かせてね」と呼び掛けるように書き出し、「う
れしさと楽しさ、ありがたさを頂けたのも一本桜さんのおかげです。きっとたくさんの人たちに勇気と希望をプレゼントし続けていることでしょう」と気持ちを伝えている。
「来年もみんなが待っているから咲いてくださいね。このメッセージがお守りになることを願うばかりです」と締めくくられている。
鈴木さんはこれまで、畑仕事では桜の根を起こさないよう気を付け、枝に支え棒を備え付けるなど世話してきた。最近枝が3本ほど枯れ、桜の勢いが衰えてきたといい「余計に心に染みた。家族みんなありがたいと思
っており、桜に代わってお礼を述べたい」と話している..