ID 3518
登録日 2007年 4月15日
タイトル
荒れた山林を「桜の園」に再生…奈良・東吉野
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070414p302.htm
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元urltop:
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写真:
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元東京五輪陸上選手の島崎さん「世界一に育てたい」
奈良県東吉野村にある観光桜園「天空の庭 高見の郷(さと)」で1000本の枝垂れ桜が見ごろを迎えている。元東京オリンピック陸上選手の島崎(旧姓、田中)章さん(65)が、荒れた山林を「桜の園」として蘇(よみが
え)らせた。低迷する林業からの発想の転換で、観光資源の開発に取り組み、島崎さんは「世界一の桜園に育てて、五輪で果たせなかった金メダルを目指したい」と話している。
高見の郷(約5ヘクタール)は2005年春の開園。同村杉谷の国道166号の高見峠登り口付近の入り口から、遊歩道「桜の道」を抜けた標高650メートルに「天空の庭」があり、ベニシダレなど7種の桜が咲く。さらに50メ
ートル登ると「千年の丘」から眼下に枝垂れ桜が広がる。
大阪府出身の島崎さんは学生時代に陸上を始め、1964年の東京五輪に、百十メートルハードルで14秒2の当時の日本記録保持者として出場。引退後、奈良県で、妻の実家の林業を継いだが、安い輸入材におされて
衰退。98年の台風で、樹齢120年の吉野杉もなぎ倒されるなどの被害が出た。
「多くの人が楽しめ、生活も安定する仕事を」と、島崎さんは、伐採するまで商品にならない林業より、入場料収入のある観光桜園を開くことを決意。04年に、若木や成木を買い集めて植樹し、地元の人たちや長男の照
章さん(36)らと遊歩道や展望施設を整備。島崎さんは「4トンもの重い桜を高度差100メートルの斜面を運ぶのは大変でした」と笑う。
スポーツ選手らの合宿を誘致したり、山菜などの特産品の販売所を設けたりする計画もあり、島崎さんは「地域活性の中心施設としての役割も果たしたい」と張り切っている。
高見の郷は5月6日まで。問い合わせは事務所(0744・43・7272)へ..