ID 3456
登録日 2007年 4月10日
タイトル
桜前線異常あり:関西の桜異変
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.janjan.jp/area/0704/0704093406/1.php
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元urltop:
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写真:
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関西の各地域では、この土日(4月7~8日)がお花見のピークとなった。「桜だより」(7日現在 JR西日本調べ)を見ても、彦根城(滋賀)、円山公園(京都)、大阪城公園、和歌山城など、桜名所がいずれも満
開だった。
私の住む奈良の開花宣言は3月27日と、平年(4月1日)に比べて5日早く、昨年に比べても2日早い開花だった。私も、奈良市内で最も早く咲く氷室神社のシダレザクラをはじめ、周辺の桜を見つけるたび、ポケットのデ
ジカメに撮っていった。
桜の異変に気づいたのは、会社の食堂(2階)から眺められるソメイヨシノを見たときだ。いつも社内にいながら花見を楽しめたのだが、今年はほとんど花が咲かないまま、葉桜となってしまったのだ。
「どうも変だな」と感じながら、あちこちの桜を撮りに回ったのだが、その直感は当たっていた。写真をご覧いただきたい。朱雀門でも興福寺三重塔周辺でも、同じソメイヨシノで、よく咲いた木(枝)と、ほとんど咲いてい
ない木(枝)が混じっている。
以前、私はブログに「クローンな花見」という記事を書いたが、ソメイヨシノはすべてクローンなので、気候・土壌などの条件が同じなら、一気に咲いて一気に散る。それが特徴だったのが、今年の咲き方は「まだら模様」
なのだ。
それは花見の名所、けいはんな記念公園(京都府相楽郡)でも同様で、「満開」の表示が出ていたにもかかわらず、これまでとは打って変わった「サエない花見」だった。同じソメイヨシノでも、咲いている木と咲いていな
い木が混在している。アップで撮った写真を見ると、1つの枝の中でも、もう散った花(中央下)があるのに、つぼみも残っている(中央上)。例年ならこんなことはなかった。
原因は定かではないが、3月に入ってからの気温がとても不安定(暑かったり急に冷えたり)だったことが一因であることは、間違いない。桜の体内時計が狂ってしまったのだ。
そのまた原因が地球温暖化なのかどうかは専門家の判断に委ねるが、動植物の活動は、私たちに季節を感じさせてくれるとともに環境の異変も知らせてくれる。「生物季節観測」の標準木たるソメイヨシノの開花異変は
、私たちに大切なことを警告しているように思えてならない..