ID 3226
登録日 2007年 3月24日
タイトル
なにか狂っている? 都心部の一番乗りの桜は=東京
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新聞名
ライブドア・ニュース
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元URL.
http://news.livedoor.com/article/detail/3089750/
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元urltop:
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写真:
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東京・靖国神社の桜(ソメイヨシノ)が開花したのが20日だった。都内の桜の8割はソメイヨシノだ。22日から2日間は都内でも暖かい陽射しがつづいた。しかし、23日午前中の江戸川、中川、目黒川の川沿いの
桜並木はどこも蕾(つぼみ)だった。
同日の午後には六本木・毛利公園に出向いてみた。ソメイヨシノの巨木が2分咲き。枝垂れ桜が5分咲き。そのうえ寒緋桜(かんひざくら)が満開だ。三つ巴の桜が楽しめた。
本来ならば、川沿いや海岸は暖かく、内陸地よりも平均気温が高いはず。それなのに内陸の靖国神社とか、毛利公園とかの桜が先に咲いているのだ。他は三日遅れでも開花していない。ソメイヨシノの開花がなぜ逆転し
ているのか? と不思議に思えた。
気象庁の開花宣言の出し方に、問題はないのか。応用気象情報係の上原係長に問い合わせてみた。「桜の開花宣言は、気象庁としては出していません」という。それはおどろきだった。「生物季節観測業務の一環として
、標準木の桜の開花を確認しただけです。ソメイヨシノの5、6輪をもって開花の目安にしています」と教えてくれた。
『桜の開花宣言』はマスコミの造語だとわかった。これだけを聞くと、東京全体に桜が咲いたような、強いイメージを読者・視聴者は抱いてしまう。適切とは言い難い用語の使い方のようだ。
全国各地の気象庁では敷地内の標本木が原則で、精度の高い観測が長くできる、という条件で決められているという。東京大手町の気象庁の桜は、観測基準に適さず、靖国神社の桜を標本木として借りている。そして、
開花と満開を観測しているのだ。「もちろん、所有権は神社です」と上原さんは話す。
全国の各観測所では東京のみならず、敷地内に適した標本木がなければ、学校、公園などの樹木を利用させてもらっているという。たとえば、カエデ観測の場合は、東京大手町の気象庁敷地内のイロハカエデを標本
木としている。そして紅葉と、落葉を観測する。
毛利公園の寒緋桜にも疑問を覚えた。1月中か2月に咲く寒緋桜がなぜ今ごろ満開なのだろうか。「今年は、暖冬だったからですよ」と上原さんが説明してくれた。暖かかったのに、寒緋桜は1ケ月も遅く咲く? と理解に
苦しんだ。寒緋桜の体質が異常気象で変わってしまったのか。
「寒緋桜は咲く前に、冷え込みが必要です。寒さが足りないと、遅咲きになります。とくに1月下旬から2月にかけての気温が重要です。他にも、こうした木は多いです」と教えてくれた。
一連の説明を受けても、都内のほとんどのソメイヨシノが咲かず、靖国神社や毛利公園の桜などが咲く、という疑問は消えなかった。日照時間の地域差は、桜の開花にはさほど問題にならないらしい。
都心部は局地的に高い平均気温を保つ。気象異変を起こす、ヒートアイランド現象の影響で、桜が早く咲くのだろうか。「その可能性はありますね」と上原さんは否定しなかったのだが・・・
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