ID 2583
登録日 2007年 1月26日
タイトル
9万年前の埋没林出土 阿蘇火砕流でなぎ倒される 大分・日田市
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/science/20070126/20070126_003.shtml
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元urltop:
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写真:
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約9万年前、阿蘇山(熊本県)の噴火による火砕流でなぎ倒されたとみられる「埋没林」が、大分県日田市鈴連(すずれ)町の小野川河川敷から出土し、26日、一般公開された。調査にあたる同県教委によると
、ほぼ完全な状態で出土したのは佐賀県上峰町の八藤(やとう)遺跡(国の天然記念物)に次いで2例目で「当時の生態系や火砕流の実態を探るうえで貴重な資料」としている。
出土したのは火山灰に覆われた広葉樹、針葉樹数本と木の実など。木の直径は大きいもので1メートル以上あり、表面が炭化し、北向きに倒れていた。県道拡幅に伴う調査で深さ2.5メートルの地層から見つかった。木
の焦げ方から火砕流の温度は約500度と推定される。
阿蘇山は27万年前から9万年前にかけて計4回、大規模な火砕流を発生させ、九州の地形を形成していった。現場は阿蘇山の北側約50キロにあり、最大規模だった4回目の火砕流によるものとみられる。
現場は保存のために埋め戻し、採取したサンプルから樹種の特定、花粉分析などを進める。調査にあたる佐賀大の西田民雄教授(地質学)は「木の内部も生に近く、当時のままの状態で保存されている。阿蘇山の火砕
流は、雲仙・普賢岳の大火砕流(1991年)の数百万倍のエネルギーがあったとされ、災害の規模や実態を解明する手掛かりになる」と話している。
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