ID 2457
登録日 2007年 1月12日
タイトル
クロマツ枯死寸前 豊橋の旧東海道で最後の大樹
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/00/ach/20070113/lcl_____ach_____001.shtml
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元urltop:
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写真:
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豊橋市内の旧東海道沿いに1本だけ残っているクロマツが、枯死しかけている。江戸時代後期に植えられ、樹齢は150年以上とみられる。昭和初めには100本以上あった松並木の最後の木。「残さなくては
いけない文化財だった」と、市民からは悲嘆の声が上がっている。
旧東海道の二川宿と吉田宿間の同市岩屋町にあり高さ11・5メートル、幹周り2・3メートル。堂々とした姿で市道上に青々とした枝を張り出し、2005年には市の名木百選に選ばれた。
しかし、昨年9月ごろから枯れ葉が目立つようになった。今では全体が痛ましく赤茶け、瀕死(ひんし)の状態。マツノザイセンチュウ(松くい虫)による被害とみられる。市は薬剤の散布に加え、活力剤などを直接注入し
ているが、好転していない。市公園緑地課は「延命させている状態。いずれは切り倒すしかない」と話す。
旅人を憩わせ、地域の歴史を見守り、伊勢湾台風をはじめ幾多の風雪にも耐えてきた古里のシンボル。住民の1人は「松葉で風呂を沸かした、他の松が枯れたときには気をもんだ」と語り、暮らしの中には常にクロマツ
があった。
近年は松並木復活に向けた取り組みも始まっていた。昨年4月には、地元の小学生らが5本を植樹。これから少しずつ増やしていこうという機運が盛り上がっていたところだった。
道路を挟んで洋服店を営む植村幸司さん(54)も、数年前から自宅近くの畑でこのクロマツの種をまき、苗を育ててきた。「江戸時代の雰囲気を唯一伝えていたのに。このようになるとは」と残念がっている。
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