ID : 1813
公開日 : 2006年 10月 9日
タイトル
パキスタン:植林したユーカリを伐採する理由
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.janjan.jp/world/0610/0610082419/1.php
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元urltop:
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写真:
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パンジャブ州の森林省と環境保護局は6月中旬、ユーカリの木は環境を破壊するとしてパキスタン各地に広がるユーカリを伐採し、今後もこの植林を禁止すると発表した。パンジャブ州の道路沿いに美しく並ぶユーカリの伐採が始まって1ヶ月後、同国では州政府の政策に対して様々な議論が展開している。
パンジャブ州政府の公園局(Parks and Horticulture Authority: PHA)は、すでに1,200本もの伐採を行った。そして、まもなく市内の道路からは、さらに多くのユーカリがその姿を消すことになる。同国の有力新聞は、成長期に多量の水分を消費するユーカリの木は土壌汚染の原因になるとした内容の広告を掲載した。
World Conservation Union(国際自然保護連盟: IUCN )のパキスタン代表者は「ユーカリは土壌水分を多く吸収するため、周辺の植物の成長が妨げられる」と述べた。
一方環境保護論者は、このように極端な州政府による措置に抗議した。世界自然保護基金(WWF)のパキスタン人の広報担当アムジャド・アスラム氏は、「州政府は、ユーカリの伐採を段階的に行い、平行して土地固有の木や植物を近くに植林するべきである」と語った。
パキスタンでは1990年代、森林開発のプロジェクトに資金を提供するUnited States Agency for International Development(米国国際開発庁: USAID )の援助により、同国の緑化活動の一環としてユーカリの植林が盛んに行われた。ラホールの園芸家ミアン・イフティカル氏は「ユーカリは著しく生長が早いだけでなく、劣悪な環境でも適応能力があるため、森林再生を実現するには最も適している。(正確な数値は公表されていないが)同国では植林により、実際に数十万本ものユーカリの木が育ち、緑化に成功している」と述べた。
環境破壊の原因になるとしてユーカリの伐採が進むパキスタンの状況を報告する。(原文へ)