ID : 14685
公開日 : 2010年 1月 5日
タイトル
「国産木材の需要拡大突破口に」 東北の業関係者ら歓迎
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新聞名
河北新報
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元URL.
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/01/20100106t73022.htm
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写真:
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赤松広隆農相が、国産木材の利用促進を図る法案提出を発表した5日、東北の林業・木材産業関係者の間では歓迎の声が上がった。外材の輸入に押されて需要が低迷する国産材。公共建築を突破口に、市場の大きい一般の住宅建築に国産材の使用を拡大できるか注視している。
秋田県内の製材業者でつくる県木材産業協同組合連合会の菊地成一理事長は「全国的な需要が生まれる可能性があり歓迎できる。いくら植林、間伐しても需給がアンバランス。需要開拓に力を入れてほしいというのが願いだった」と評価した。
需要拡大の鍵に住宅建築を挙げる。「国産材の自給率を大きく上げるには、一般住宅での利用が不可欠」と指摘する。
東北6県の住宅着工戸数は、昨年11月現在で13カ月連続の前年割れ。木材の市場価格も1955年ごろの水準の8000円近くに落ち込んでおり、林業、木材産業を取り巻く状況は厳しい。
宮城県内16の森林組合で構成する県森林組合連合会の木村敏男代表理事専務も「公共建築に使われた国産材を目にして触れた消費者に関心を持ってもらえる」と新法案の波及効果に期待する。
東北一の林業産出額を誇る岩手県。林業が盛んな住田町産業振興課の多田裕一係長は法案を歓迎しつつ「庁舎建設など公共事業は一時的な特効薬にすぎない。自治体財政は厳しく、庁舎や学校の建て替えに簡単に予算を振り向けられるとは考えにくい。利用促進にとどまらない政策を期待したい」と明確な長期ビジョンを求めた。