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ID : 13809
公開日 : 2009年 11月 3日
タイトル
温暖化対策税 メッセージを明確に
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2009110402000040.html
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元urltop:
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写真:
 
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温暖化対策税の導入は「温室効果ガス25%削減」の柱になる政策だ。だが不況下で、なぜそれが必要なのかを国民に丁寧に説明し、緻密(ちみつ)な制度設計を試みないと、反発を招くだけだ。 新税なんて、できれば増えない方がいい。創設の経過や使途が不透明ならなおさらだ。納税者の理解を得られないまま繰り返された税金の無駄遣い。これが政権交代を促す力の一つになった。 これまでは税の導入プロセスも、一部の大物国会議員が密室で決めていたというイメージが強く、税への不信を助長した。温暖化対策税は、暮らしに広く影響を及ぼす新税だ。この不信をぬぐい去らねば、温室効果ガス削減にはつながらない。 それには、温暖化対策税がなぜ必要か。そのわけを納税者にわかりやすく説明しながら制度をつくるべきである。ガソリン税の暫定税率を廃止して、そっくり置き換えるだけならば、国民は理解し難い。ガソリン代が安くなれば、温暖化対策には逆行する。ただの数字合わせに終わってしまう。 京都議定書で課された日本の温室効果ガス削減義務は、二〇一二年までに一九九〇年比で6%、政府の計画では、このうち企業や生活者が努力して減らす「真水」部分は、わずか0・6%。あとは森林に吸収させて3・8%、国外から排出枠を買い入れるなどして減らすのが1・6%である。 森林も間伐などの手入れをしないと吸収源にはカウントされないルールがある。十分な手入れを施すためには二兆円以上もかかるという。1・6%に相当する一億トンの排出枠の購入費用は二千億円と見積もった。 鳩山内閣が公約した二〇二〇年までの温室効果ガス25%削減を達成するには、さらに膨大な費用がかかるのは避けられない。新税の創設に当たっては、それだけの金をかけても、今やらなければならないことなのだという、明確なメッセージが欠かせない。 財源の問題だけではない。炭素の排出にかける炭素税が浮上したのは、化石燃料への依存を改めて、低炭素社会へ移行させようという、強いメッセージになるからだ。 メッセージを聞く側のことも考えたい。自分や家族の未来にとって必要なことだと理解できれば、負担感は軽くなる。可能な限り負担感を軽減し、削減努力をした人や企業に「得」もあるような、制度設計を急いでほしい。
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