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ID : 13401
公開日 : 2009年 9月30日
タイトル
県林業公社 苦境に
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000000909300001
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元urltop:
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写真:
 
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国の造林運動に乗って県林業公社が育てたスギやヒノキの森林が、重い負担になっている。木材価格の低迷で経営が立ち行かない。公社が解散すれば、債務164億円(県民1人あたり約8千円)は県が肩代 わりしなければならない。県は頭を悩ませている。(渕沢貴子)
 県林業公社は国の拡大造林政策に基づき66年に設立された。造林をやめる02年度まで、5200ヘクタールの土地にスギやヒノキ、マツを植えてきた。公社が木を植えて手入れし、木が成長したら伐採して売り、収益 を土地所有者と分け合う「分収林」事業だ。
 だが、64年に木材輸入が完全自由化されると安価な外材の輸入が増え、材木価格は80年ごろから下落に転じた。ピークの80年に1立方メートルあたり2万3千円近くあったスギの立木価格は、07年には約3千円に落 ち込んだ。
 今、多くの木が成長し“切り時”を迎えている。
 分収林契約は約1300件。昨年、アカマツとカラマツが植えられた11ヘクタールが初めての契約満期を迎えた。木材の時価は35万円で、切り出すには100万円ほどかかるため、契約を1年延ばして検討し、木を切ら ずに土地所有者に譲渡することにした。
 分収林事業は事実上破綻(は・たん)している。
 公社の長期債務は164億円にのぼる。うち52億円が日本政策金融公庫、112億円が県からの借入金だ。更に、公庫への利子負担が今後18億円ほどかかる見込みだ。
 森林の維持管理だけで年に約2億5千万円かかる。間伐材の売却による収支はとんとんで、補助金と借入金が頼りだ。公庫からの新規借り入れはやめたが、いまも県からは毎年借りていて、返済分を差し引いても1億 円超ずつ債務は増えている。
 公社はこれまで経営改善計画を策定し、職員の削減、低利融資への借り換えなど手は打ってきた。今年度は、5年間の第3次経営改善計画の最終年度だ。
 国は今年から林業公社を含めた第三セクターの抜本的な経営改革を進めるよう通知を出しており、公社の債務処理は待ったなしだ。
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 林業公社のような分収林特別措置法に基づく「森林整備公社」は、6月末現在で36都道府県に40あり、07年度末の借入金残高は1兆円を超す。岩手と大分は07年に公社を解散し、県が債務を肩代わりした。滋賀県は 07年、合計で1千億円超の負債を抱える2公社について、民事調停手続きの一種で、裁判所の仲介で返済が困難な借主の債務を整理する「特定調停」を全国で初めて申し立てた。
 群馬県は「国策により森林の造成を推進してきた」として、公庫の借入金の債務削減の抜本的な対策などを講じるよう国に要望している。
 滋賀県の第三者機関も今月4日、「国の責任は極めて大きい」と厳しく指摘。嘉田由紀子知事は「国に負債の処理を求めたい」と発言した。
 だが国が動く気配はない。国は森林の維持管理や利子負担には一定の補助をしてきたが、元本の返済は自治体の責任との立場だ。
 国有林野事業は一足早く98年に3・8兆円の債務処理策が決まり、たばこ特別税も投入されている。このため、自治体側は扱いの差に不満を募らせている。
 林野庁の遠藤洋一経営対策官は「あくまでも個々の経営の問題で、元本返済への支援はできない」と話す。
 国の支援が期待できないなら、とれる道は限られる。大沢正明知事は昨年6月の県議会で、公社解散の可能性にも触れて「抜本的な対策を検討する必要がある」と述べた。
 公社の解散か、分収林事業からの撤退か。現行の制度では、どちらも巨額の債務を県が引き受けざるをえず、県民は将来にわたり重い負担を背負うことになる。
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