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ID : 13397
公開日 : 2009年 9月30日
タイトル
県内で初めて樹木葬を始めた住職、國井一之さん 
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/fukushima/hito/news/20090929ddlk07070301000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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「世代間の絆つなぎたい」--國井一之(くにい・かずゆき)さん(75)
 吾妻山のふもとにある福島市佐原の「宝珠山 慈徳寺」。裏山の墓地では、墓石ではなく、カエデやドウダンツツジなどの下に遺骨が眠っている。今年4月から県内で初めて始まった樹木葬墓地だ。
 慈徳寺で住職をする前は、高校教師だった。山形大を卒業後、山形県立高校の体育教員として働き、山形県教委社会教育課では主査を務め、生涯学習の指針の策定に携わった。次第に高齢者の集まりで講演をするよ うになり、説得力を持たせようと仏教の話をするうちに「お釈迦様の考え方が面白いと思った」という。
 ちょうどそのころ、人事異動の話があり、「教頭にする」と言われていたが、実際は「ヒラ教員」で赴任することになった。「自分自身が情けなかった」といい、妻の反対を押し切って教員生活に区切りをつけ、53歳で出家 した。
 妻の叔父が住職だった慈徳寺に行ったところ、住職から「勉強してこい」と言われ、石川県の総徳寺祖院で修行した。その後、山形大の非常勤講師や、中国の大学で教授を務めるなどしていたが、先代が高齢になり、9 9年に住職に就任した。
 当時の慈徳寺の墓地は、子孫が福島を離れて管理する人がいなくなっていた墓もあり、雑草が生い茂っていた。墓石が高額なことも気になった。「寺で先祖や子孫、古里の絆(きずな)をつなぐことが、21世紀の寺の仕 事だ」と考えるようになり、04年ごろ、樹木葬を全国で初めて始めた岩手県一関市の「知勝院」を取り上げる雑誌を偶然読み、「これだ」と思ったという。
 檀家(だんか)と知勝院の視察などを積み重ね、08年から裏山の整備を開始。スギ林を間伐して、敷地面積約3700平方メートルにウッドチップを敷き詰めるなどした。85区画を設け、現在は約30カ所が決まっている 。樹木葬ができる墓地としては全国で11番目で、東京や大阪からも問い合わせがあり、「反響が大きいことに驚いた」という。1区画の使用料は50万円で、管理料として15万円も必要だが、従来の墓地から比べると格段 に安い。
 1区画を購入した福島市の主婦、菅野孝子さん(58)は「福島には親戚(しんせき)もいないので、普通のお墓だと守ってくれる人もいない。樹木葬なら子供たちに迷惑をかけずに済む。自然の中なので癒やされます」と 魅力を語る。
 「絆の旗を立てるのが寺の役割。親や子供、世代間の絆をつないでいきたい」。新しい寺のあり方を模索しながら、未来への絆をつなぐ寺を目指している。
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