ID : 13302
公開日 : 2009年 9月17日
タイトル
日立製作所、バイオマス原料のエポキシ樹脂を開発
.
新聞名
nikkei BPnet
.
元URL.
http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20090917/102214/
.
元urltop:
.
写真:
.
日立製作所は、木質バイオマスに含まれるリグニンを主原料とした、有機溶剤に可溶のエポキシ樹脂を開発した。バイオマスを利用した従来のエポキシ樹脂は有機溶剤に溶けないため成形が困難だった
が、今回開発したエポキシ樹脂によって、プリント回路基板など実用部材への道を開いた。
石油を主原料にしたエポキシ樹脂は、耐熱性や電気絶縁性などに優れた化合物として電子部品などに利用されている。しかしバイオマスを使った従来のエポキシ樹脂は、有機溶剤に溶けないためさまざまな形に成形
できないうえ、耐熱性と絶縁性に問題があり、耐熱性が必要になる実用部材への応用は不可能だった。
同社は今回、リグニンの分子量を制御することで有機溶剤に溶けるバイオマス由来のエポキシ樹脂を開発し、成形を可能にした。さらに、有機溶剤に溶けたエポキシ樹脂を硬くする際にリグニンを硬化剤としても使用
することで、高い耐熱性を実現。回路基板、発電機、受変電設備など高い耐熱性が求められる電気絶縁用途に利用できるようにした。
これによって同社は、再生可能な木質バイオマスのリグニンを主原料とするエポキシ樹脂の実用化に道を開いた。リグニンは木材に約20%含まれ、石油の代替が期待できる材料。今回開発した技術で、間伐材などこ
れまで利用されていない木材の木質バイオマスとしての活用が期待できるという。