ID : 11926
公開日 : 2009年 6月 2日
タイトル
水と緑の地球環境:間伐材で伝統工法 木炭や土壁、調湿・断熱エコ効果
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/life/today/news/20090602ddm012040068000c.html
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元urltop:
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写真:
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毎日新聞水と緑の地球環境本部が国土緑化推進機構と協力、NPO法人などと連携して今年度から取り組む「つながる森づくりプロジェクト」の間伐キャンペーンが、スタートした。静岡県掛川市の時ノ寿(とき
のす)地区で間伐に取り組む「時ノ寿の森クラブ」(松浦成夫会長)は5月24日、33年前に廃村となった同地区で、ヒノキなど間伐材の炭焼きを始めた。
防湿・防虫や土壌改良に、住宅の床下や土と混ぜて活用してきた木炭を販売し、建築材としての間伐材の販売収入とともに活動資金にあてる。「蘇(よみがえ)れ、ニッポンのふるさと」がキャッチフレーズで、同クラブ
がこだわるのは、住宅の伝統工法。床下の木炭や土壁は、室内の湿気を調整する調湿機能があり、特に土壁は遮音のほか断熱効果も高く、「夏は涼しく冬暖かい」。さらに、軒先のひさしは、日差しを遮り余分な太陽熱が
室内にこもるのを防ぐ効果もある。湿度の高い日本の風土が生み出した生活の知恵でもある。
松浦会長は「現代工法による住宅は、高気密高断熱で適度な湿度調整もなく、エアコンやストーブなしには住めない。外材輸入も含め石油エネルギーに依存する住家だ」と主張。「一部でも伝統の知恵を取り入れ、化石
燃料に必要以上に依存した生活を見直すきっかけにしてほしい」と話し、環境配慮型の伝統工法に熱い視線を注ぐ。
松浦会長は会員らと昨年10月、間伐材だけで伝統工法による一部2階建て住宅を、モデルハウスとして同地区に建設。建材用間伐材と伝統工法の普及に今秋、見学会を開く。
炭焼きは、同地区に残る炭がまを活用、加齢臭などの室内脱臭に介護施設や一般家庭にも販売する計画で、約2トンの生産を目指す。
二酸化炭素削減に間伐と伝統工法。「ふるさとの知恵」を掲げ、地球環境の保全に挑む。【山本悟】
◇話題や活動の報告、火曜日掲載します
原則として毎週火曜日、毎日新聞水と緑の地球環境本部の活動や関連のイベント、話題などを紹介します。