ID : 10886
公開日 : 2009年 3月16日
タイトル
県の林業担い手研修終わる、求人少なく厳しい就業
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinmai.co.jp/news/20090314/KT090313SJI090013000022.htm
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元urltop:
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写真:
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県林業労働財団(長野市)と県が2月から、塩尻市の県林業総合センターを拠点に開いた林業の担い手養成研修が13日、終わった。最終日は就業相談会も行ったが、現時点で財団に寄せられた求人は8事
業体、計17人。42人の修了生のほとんどが就業を希望しており、職を求める人が大幅に上回るミスマッチが起きている状態だ。
岡谷市の男性(43)は、不況の影響で、勤め先の自動車部品の工場が昨年末から、休業状態。「森林整備の仕事が多い今、製造業より安定しているのでは」と林業に目を向け、17日間の講習を受けた。チェーンソーの
扱い方など、林業の基礎の学習や林業会社での実地研修を通じ、就業意欲も高まった。
だが、相談会で財団の職員から伝えられた求人は思ったより少なかった。自宅に近い場所での就業を希望し、該当するのは2人の求人を出す諏訪郡富士見町の林業会社だけ。財団への就業希望登録者は約350人と、
競争率も高い。まずは面接を申し込むが、男性は「確実に入れるか不安。せっかく身に付けた技能を生かしたいが…」と言った。
研修は雇用不安を機に、担い手が不足する林業への就労を促そうと開いた。143人の応募から抽選で選ばれた46人が参加し、途中の離脱者は4人。すでに林業への就業が決まった人は5人いるが、求職中という人が
ほとんど。財団側は県内の事業体に求人拡大を要請しているが「小規模の事業体が多く、簡単に人を増やせないという所が多い」と財団の担当者は話す。
元派遣社員という上水内郡飯綱町の男性(30)も、自宅に近い場所での就業を希望するが、北信地方での求人はない。「先を考えればすぐにでも働きたい」と、ハローワークで求人を探すという。
研修では最後に、修了生一人一人に修了証を手渡した。加藤英郎理事長は「修了生の意欲を雇用に結び付けるため、まずは受け入れ先のさらなる掘り起こしと、情報提供に努めたい」と話した。