ID : 10361
公開日 : 2009年 2月 4日
タイトル
森林に企業資金
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news/20090203-OYT8T00121.htm
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元urltop:
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写真:
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県が整備仲介
09年度から環境へ貢献促す 荒廃した森に植林や間伐をして豊かな森づくりを進めるため、県は新年度から企業や団体から資金を募り、森林組合などに資金を提供して森林整備を委託する事業を始める。県土の7割を
占める森林の中には、自治体の財政難や所有者の高齢化、木材価格の低下などで手入れが行き届かず、荒廃している森も少なくない。その解消に向け、企業などに環境貢献してもらう取り組みだ。(早川悦朗)
県がまとめた概要案によると、整備対象は、県や市町村、個人が所有する森林。
整備を望む森林の所有者と、森林整備に資金を出し社会貢献したいと考える企業・団体を、県が仲介。所有者と企業・団体は「水と緑の森づくり協定」を締結し、企業・団体は、森林組合や林業会社などに資金提供して
森林整備を委託する。協定の期間は2009年度から5年間の予定だ。
整備内容としては、伐採跡地や松食い虫などの被害を受けた森林で植樹を行う「植樹プラン」と、手入れの行き届かない森林で間伐、下刈りなどを行う「育樹プラン」を検討している。両プランと併用して、伐採木や枝
葉などを燃料に活用する「森林バイオマス活用プラン」も計画している。
県によると、山の斜度や高さなどの状況によるが、一般的に、1ヘクタールに杉の苗木を植林するだけでも100万円ほどかかるという。
事業に参加する企業・団体には、県が、感謝状と、活動によって二酸化炭素をどれだけ吸収できたかを数値で示す「CO2吸収証明書」を贈り、県の広報誌やテレビ番組で企業の取り組みを紹介。環境貢献に取り組んで
いることを示す「森っち」のステッカーを交付することも検討する。また、企業・団体は資金提供した森林を、環境教育や社員らがリフレッシュする場として自由に利用できる。
県によると、県内の森林面積は約82万1000ヘクタールで、県土の71%を占める。このうち、国有林を除いた県や市町村、個人が所有する森林の約30%にあたる約14万ヘクタールで下刈りや間伐などの整備が必
要だという。
県はこれまで事業対象となる20ヘクタールから数ヘクタールの森林候補地10か所を選定。今後も所有者の理解を得て、候補地を増やす考え。TDKやDOWAグループ、県トラック協会などの企業や団体が事業に関心
を示しているという。
県水と緑推進課は「企業が資金を提供して、森づくりに役立てる新しい取り組み。少額でもいいので、大企業だけでなく中小企業や各種団体にもいろいろな形で参加してもらいたい」としている。