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ID : 7920
公開日 : 2008年 6月12日
タイトル
再生紙偽装で振り回された “エコペーパーの見本帳”
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新聞名
日経ビジネス オンライン
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元URL.
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20080609/161009/
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元urltop:
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写真:
  写真が掲載されていました
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本、広告、コピー用紙、ノート、トイレットペーパー…と、毎日大量に使われる紙。食べ物と違い、健康に直接影響を与えたりしないので、紙がどうやって作られているのか、これまで調べたことはなかった。し かも今年1月に古紙配合率の偽装が発覚し、「再生紙」の表示も信用できなくなった。「環境にやさしい紙」は本当にあるのか? …疑問は膨らむばかりである。

『フェア・トレードを探しに』(三浦史子著)の表紙(写真:山田 愼二、以下同)
 そんな中、紙にこだわって作られた1冊の本がある。今年3月に発行した『フェア・トレードを探しに』(スリーエーネットワーク)だ。著者の三浦史子さんが「フェア・トレードとは何か」という問いの答えを探しに、インド、ガ ーナ、英国などを訪ねたルポである。
 フェアトレードとは「アジアやアフリカ、中南米などの農作物や手工芸品を、買いたたくのではなく『公正』な価格で、生産者から直接買付けてくるビジネスのあり方」(本文より引用)。環境問題とも密接に関係し、例えば農 作物のプランテーションのために原生林が伐採されていないか、といった観点も含まれる。※著者の三浦さんは著書の中で「フェア・トレード」と「フェアトレード」を使い分けているが、この記事内では「フェアトレード」と 表記する。

環境にやさしい紙とは、どんな紙か?
 貿易と貧困、環境をテーマにした本である以上、「本作りの際も、環境負荷を抑えたい」と三浦さんが考えたのも自然の流れだ。とはいえ紙、インク、ノリ、印刷方法、印刷所や製本所で働く人の労働環境と、本作りの全行 程にこだわることは不可能なので、三浦さんはまず「紙」にフォーカスした。
 「環境に配慮した紙」とは、どんなものなのか? 調べると、製紙会社が「エコペーパー」として販売している商品は、古紙利用率が高いもの、製造過程でのCO2(二酸化炭素)排出量が少ないもの、紙の漂白などの過程 で有害物質や化学物質が少ないもの、と基準はバラバラ。三浦さんは「新たに開発した紙でないと、考えられるすべての要素を満たすことは無理」と、今回は「流通している既存の紙から、コストとのバランスを見て適切 なものを選ぶ」と決めた。
 紙を選ぶにあたり、三浦さんは編集者や装丁デザイナーと協議し、独自の基準を設けた。最終的に決定した基準は次の通りだ。
1) 「絶対条件」として、原生林を、破壊的に伐ったパルプは全く使わない。 2) 「なるべく」と条件づけて、下記の3項目を決めた。 使っている化学薬品に有害なものがないか検証する(漂白は、より危険度が低い無塩素漂白を選ぶ)。 生産地や加工工程が追跡できるものを選ぶ(FSC認証紙:後述が該当。ただし、紙の銘柄ごとにどの森林の原料チップを何%配合しているかまで追跡することは不可能だった)。 普段は捨てるもの(間伐材、廃材など)を使う。
 なお、ケナフなどの非木材は「生態系を壊すという説もある」とのことから、選択肢から外した。
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