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ID : 7884
公開日 : 2008年 6月 3日
タイトル
もったいない大会inうつのみ
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新聞名
毎日新聞
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元URL.
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20080603ddlk09040135000c.html
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元urltop:
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写真:
 
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「『もったいない』が地球を救う」をテーマに、宇都宮市から「もったいない」の心を世界に向けて発信する「第2回もったいない大会inうつのみや」が2日、宇都宮市の県総合文化センターで開幕した。約2100 人が訪れ、メーンホールだけでは収まりきらず、サブホールを開放するほどの盛況ぶりだった。聴衆は、ノーベル平和賞受賞者で元ケニア副環境相のワンガリ・マータイさんの講演や、パネルディスカッションでの討議に 熱心に耳を傾けた。3日午前10時からは、「もったいない運動」に取り組むNPO法人や高校など4団体が事例発表を行い閉幕する。【葛西大博、松谷譲二、戸上文恵、中村藍】
 ◇「森林保護が重要」 公共交通機関利用訴え--マータイさん基調講演
 ワンガリ・マータイさんは、「美しい地球を未来の子どもたちへ」と題して基調講演を行った。7月に開催される北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)で、「G8の首相がごみの削減や再利用、再生利用だけではなく、も ったいないというすばらしい概念に気が付くことを期待している」と述べた。
 マータイさんはケニア出身の環境保護活動家。03年から3年間、ケニアの副環境相を務めた。植林活動を通じて女性の地位向上に貢献し、04年にアフリカ人女性として史上初めてノーベル平和賞を受賞した。
 講演では、05年に毎日新聞社の招きで来日した際に、「もったいない」という言葉に出合ったエピソードを披露。「資源をむだにしないよう、思いやりや感謝の気持ちを持つという意味。偉大な概念を網羅していてすば らしいと感動した」と振り返った。
 また、アフリカをはじめ、世界各地で起きている紛争について、「水、土地、森林など資源を巡る争いだ。平和は環境を破壊しては達成し得ない。公平な形で資源を共有し合わなければ、ますます紛争が増えてしまう」と 指摘した。
 マータイさんは昨年、ゴア前米副大統領と共にノーベル平和賞を受賞した「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)がまとめた「温暖化は人間活動による可能性がかなり高い」との報告書を挙げ、「炭素を吸い、酸素 を吐き出す森は地球の肺だ。森林を守ることが極めて重要」と訴えた。
 温室効果ガスの排出量を減らすため、公共交通機関の利用を呼び掛け、「もったいないの考え方を念頭に、電車や自転車を使う時は、地球が癒やされることを自覚してほしい。我々にできることをやっていきましょう」と 結んだ。
 ◇「樹木に感謝」--パネルディスカッション、マータイさん訴えに拍手
 パネルディスカッションにはマータイさんの他、小池百合子・元環境相、坂東眞理子・昭和女子大学長、佐藤栄一・宇都宮市長が参加し、「『もったいない』の心を育(はぐく)む」をテーマに意見を交わした。
 小池元環境相は「心だけではなく、省エネでできるだけ化石燃料を使わないような技術の開発を進めるとともに、環境税導入などの制度を整えていかなければならない。心・技・体がそろえば、日本はさらなる環境立国 へと進む」と述べた。
 また坂東学長は「目先の利益を追う短期的な考えは賢くない」と指摘。「ものを十分使い切ることが大事。長く付き合い、持続させることは、かえって大きなリターンを生む。ものの命を慈もう」と訴えた。
 佐藤市長は「もったいない精神」に基づく行政の取り組みを紹介。予算の無駄遣いを減らすため、小中学校間での備品や本の貸し借りを推進していることや、太陽光発電の利用家庭への助成制度などを取り上げ、「もっ たいない運動の一環として続けていきたい」と話した。
 最後にマータイさんは、環境保全のキーワードである“リデュース”(ごみ削減)や、“リユース”(再利用)、“リサイクル”(再生利用)の三つのRに加え、植物や緑を尊重する“リスペクト”の重要性を強調。「人間は環境を きれいにしてくれる樹木を必要としている。人は植物、緑なくして生きることはできないが、樹木は人がいなくても生きていける。樹木に感謝しなければならない」と訴えると、会場からは拍手がわき起こった。
 ◇ギョーザも一役--市民団体、自治体が交流会
 大会初日の2日夜には、宇都宮市の宇都宮東武ホテルグランデで、交流会が開かれた。会場には県内外から訪れた市民団体や自治体関係者など約370人が集まり、互いの取り組みについて紹介し合うなど、親交を深 めた。
 交流会では「おもてなし」をテーマに、県立宇都宮白楊高の生徒らによる「鮎(あゆ)ラーメン」や、県内産の野菜を使ったギョーザ、宇都宮が誇るカクテルなどが振る舞われた。4人グループ「フェスタ」によるジャズ演 奏も披露された。
 会場を訪れたマータイさんは「大会後でも、それぞれの人がもったいないと思う気持ちが大切。家に帰ってもぜひ、もったいないの活動を広げてほしい」と話した。
 ◇小学生が大会宣言
 ○…大会宣言文は宇都宮市立西小学校の5、6年生の72人の児童が読み上げた。マータイさんとともに壇上に上がった児童は「もったいないの精神のもと、美しい地球を未来へつなぎます」と、元気いっぱいに声を張り 上げた。
 また、開会前のアトラクションを飾ったのは、県立宇都宮中央女子高合唱部の歌声だった。「アメイジンググレイス」など5曲を披露し、美しいハーモニーに聴衆からは大きな拍手が寄せられた。
毎日新聞 2008年6月3日 地方版
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