ID : 7625
公開日 : 2008年 5月18日
タイトル
よみがえれスダジイの森
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20080518-OYT8T00113.htm?from=navr
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元urltop:
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写真:
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荒れ果てた足立区の保存樹林「佐野いこいの森」(佐野1)を復活させようと、区立中川北小学校の児童が18日、自分たちで丹精したスダジイの苗約300本を植樹する。実を拾い、雑草や虫と格闘し、地域の
大人に手伝ってもらいながら、約50センチになるまで2年半かかった。
2年半育てたスダジイの苗木を掲げる児童たち 「佐野いこいの森」(約7500平方メートル)は1583年、この地に田を切り開いた佐野家の屋敷林。スダジイやケヤキなど約130種、1000本に上る樹木がある。渡り鳥
も飛来する貴重な生態系として、1974年4月、区の保存樹林1号に指定された。
しかし、長年手入れされず、樹木は伸び放題。ごみも不法投棄されて、誰も散策しない暗い森になってしまった。森に多かったスダジイもすっかり衰退。2005年7月にいったん閉鎖され、区をあげての「復活作戦」が始
まった。
区のボランティア「緑の協力員」やNPO法人「足立花と緑の会」などが間伐などをスタート。同時に、将来も保護活動が続くようにと、区が近くの同校の児童たちに声をかけた。この森の氏神の御神木とみられるスダジイ
を、子供たちの手で増やす計画が始まった。
05年10月。1、2年生の児童らが、スダジイの実を拾い集め、樹木医や協力員、NPOメンバーの指導を受けて鉢に植えた。水をやり、雑草を取り、芽が出たのは8か月後。大きな鉢に植え替えた時には、ヤスデやダン
ゴムシが出てきて悲鳴も上がったという。
2年目に植樹の予定だったが、苗木の育ちが悪く1年延期。やっと雑草に負けない50センチ程度まで伸びた。
今や4、5年生となった児童らは「天まで伸びてほしい」「将来、どんぐりをいっぱい取りたい」と、成長を楽しみにしている。毎年1年生が苗木を育てており、植樹活動は続く。沼野みどり校長(49)は、「失った自然を取り
戻すには大変な時間がかかることを実感して、環境を守る心を育ててほしい」と話している。
18日午後からは、ドングリクッキーの試食など、様々なイベントが開かれる。