ID : 7207
公開日 : 2008年 4月17日
タイトル
クヌギ台木 オーナー求む
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamanashi/news/20080417-OYT8T00111.htm
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元urltop:
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写真:
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里山の生態系を支えるクヌギの台木(だいぎ)を守ろうと、北杜市の自然愛好家団体「自然とオオムラサキに親しむ会」(跡部治賢代表)が市内の八ヶ岳山麓(ろく)にある台木のオーナーを募集している。
同会によると、クヌギの台木づくりは、伐採した幹を薪(まき)や炭などに利用する方法として数百年前から日本全国の山林で行われてきた。台木からは樹液が多く出るため、国蝶(こくちょう)のオオムラサキやオオクワガ
タなどの生育に適した環境になり、山林の生態系の維持に大きな役割を果たしている。
1960年代ごろまでは日本の各地で行われていた技術だが、近年は林業就労者の高齢化などから山林に手入れが行き届かなくなったことに加え、貴重な昆虫の販売などを目当てにした悪質な業者などが、台木の皮を
はいだり伐採するなどしたため枯死する台木が相次いでいるという。
八ヶ岳山麓の状況について、跡部代表は「10年前と比べて台木は荒れ放題。枯れて樹液が出なくなり、オオクワガタが育たなくなっている」と話す。
オーナー制度は、山林所有者の了解を得たうえで、オーナーを募集して一口5000円の寄付金を募り、同会のメンバーらが保護・管理する仕組み。台木にはオーナーの名前を記したネームプレートをかける。二口以上
を寄付したオーナーには薪かシイタケのほだ木が支給される。3月から呼びかけを始めたところ、三重や神奈川など県内外の約20人から応募があるという。
跡部代表は「台木は日本の里山の文化遺産。一人でも多くの人に里山の保護に関心を持ってもらいたい」と訴えている。問い合わせは跡部代表((電)090・9975・2595)へ。
◆台木 クヌギの幹を高さ約1・5~2メートルの高さで切ると、切り口から新しい幹が生えてくる。その性質を利用して1本の木からタコの足のように何本もの幹が生えた状態にしたもののこと。