ID : 7206
公開日 : 2008年 4月17日
タイトル
精英樹をかけ合わせて開発された無花粉スギの苗木(
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080417-OYT8T00039.htm
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元urltop:
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写真:
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県は富山県と共同で、木材として高品質の「精英樹」同士をかけ合わせた無花粉スギを開発した。無花粉スギは自生のものや、人工交配で開発されたものはあるが、精英樹を“両親”に持つ無花粉スギは全
国初。高品質の材木になる無花粉スギの誕生で、花粉症発生源の減少と森林育成の両立が可能になると期待されている。
県林業試験場(白山市)は1999年から無花粉スギの研究に着手。2006年から国の農林水産高度化事業で、富山県との共同研究を本格化させた。石川のスギの中から、成長の具合や材質が優れた精英樹53種を調べ
た結果、「珠洲2号」に無花粉の遺伝子があることが判明。同様の遺伝子を持つ富山県の精英樹「小原13号」と人工交配して、新たな無花粉スギを開発した。
この無花粉スギの種子は、2県と共同で高度化事業に参加する新潟県も保有し、今後各県で研究を進める。県試験場ではすでに苗木15本が30~40センチに育ち、今年度から増産体制の研究を始め、14年には苗木
を100本まで増やす方針。
苗木が山に植林され、無花粉の効果を発揮するのは数十年先になりそうだが、県試験場の小倉晃主任技師(33)には、各自治体や林業試験場、製薬会社から問い合わせが相次いでいる。
スギは県内人工林面積の7割を占める重要な樹種だが、多くの人を悩ませるスギ花粉の発生源でもある。花粉の心配もなく、木材としての品質も高い精英樹は“安心”して植林することができ、県森林組合連合会の前越
康隆専務は「スギ花粉症の余波で林業への逆風が吹く中、無花粉スギが出来て良かった。精英樹なら品質保証付きだ」と話す。
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県林業試験場によると、スギ花粉の飛散ピークは過ぎたが、通常4月下旬まで飛ぶ。今年は平年に比べて、飛散量は3~4割多かったという。