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- ID:
- 31408
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0928
- 見出し:
- 「紅葉してそれも散行く桜かな」(蕪村)
- 新聞名:
- Viewpoint
- 元URL:
- http://vpoint.jp/column/updraft/27524.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 県産木材の消費拡大を図り、伝統技能への理解を広めようと、豊田市で27、28日に開かれた「とよた産業フェスタ」で、豊田高等職業訓練校(豊田市)が、木造の小屋づくりのデモンストレーションを行った。指導にあたった宮大工の鷹見昌勝さん(69)は「国産材の良さと職人の高い技術を多くの人に知って
ほしい」と話している。(黒岩宏行)
同校には木造建築科と左官・タイル施工科があり、訓練生の多くが、建設現場で働きながら学んでいる。3年間学んだ修了者には、知事が認定する修了証書が授与され、2級技能検定の受験資格が得られる。
父親に大工仕事を教わったという鷹見さんも同校の2期生。30歳代で母校の指導員となり、校長や学校を運営する職業訓練法人豊田職業訓練協会の会長を歴任し、今も現場で指導にあたっている。
神社や仏閣の修復や建築を手がける鷹見さんは、学校を巣立った訓練生たちにも、宮大工の現場でしっかりした日本建築の構造をじかに学ぶよう呼びかけている。小屋づくりは、墨糸などで木材に線や印をつける墨付け、木材をつなぐ「ほぞ」の加工といった伝統的な工法で行っており、鷹見さんは「基本を
覚える良い機会」とその意義を強調する。
産業フェスタでのデモンストレーションは今年で3回目で、今年は地元のスギやヒノキを使って10平方メートルほどの小屋を建てたほか、壁塗り体験など親子向けのイベントも開いた。また、今回はあえて節のあるスギの間伐材を多く使用。鷹見さんによると、節のある材料は丈夫で長持ちするのが特徴で、
建築現場で国産材の消費が増えればという思いを込めて使ったという。
鷹見さんは「大工仕事の担い手が少なくなるのに伴い、地元の木材が使われなくなり、山が荒れている。小屋づくりを通じて地元産の木材の魅力を伝えながら、林業の現状なども訴えていきたい」と話していた。
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