v10.0
- ID:
- 26811
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0212
- 見出し:
- スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について
- 新聞名:
- 林野庁
- 元URL:
- http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kenho/130208_2.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 農林水産省は、昨年度に引き続き、スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度を調査しました。
その結果、放射性セシウム濃度の最高値は平成23年度の3分の1程度のスギ雄花1キログラムあたり約9万ベクレルでした。
この濃度の放射性セシウムを含むスギ花粉が大気中に飛散し、人が吸入した場合に受ける放射線量を試算したところ、1時間あたり最大0.0000715マイクロシーベルトとなり、平成23年度の試算値よりも低い値となりました。
1.調査の経緯
森林に降下した放射性物質が、スギ花粉の飛散により再拡散し、人がそれを吸入することが懸念されたため、平成23年度にスギ雄花に含まれる放射性セシウム濃度の調査を実施し、その調査結果を用いて、スギ花粉が大気中に飛散し、人が吸入した場合に受ける放射線量を一定の前提条件を置いて試算
しました(平成24年2月8日付け農林水産省プレスリリース「スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について」)。
放射性セシウムの物理学的な半減期から見ると、森林内には未だかなりの放射性セシウムが存在していると考えられるため、独立行政法人 森林総合研究所(以下「森林総研」という。)と連携し、今季のスギ花粉の放射性セシウム濃度をスギ雄花から推定する調査を実施しました。
2.調査の内容
(1)調査箇所
平成23年度に調査を実施した福島県内132 箇所のスギ林のうち、最高値を記録したスギ林を含み、調査箇所が福島県内の空間線量率の高い地点から低い地点まで均等に分布するように選定した31 箇所。
(2)調査期間
スギ雄花の採取は平成24年11月6日~平成24年12月26日に行いました。
(3)調査方法
スギ雄花の採取地の空間線量率を測定したほか、採取した雄花について、ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー法(注)で放射性セシウム134 及び放射性セシウム137 の濃度を測定しました。
(注)放射性核種からのガンマ線は、それぞれ固有のエネルギーを持っています。「ガンマ線スペクトロメトリー」とは、ガンマ線のエネルギー分布を測定することにより、放射性核種の種類と放射能を同定する方法です。
3.調査結果及び考察
今回の調査結果でも、平成23年度の調査結果と同様に、空間線量率が高い地点では、雄花中の放射性セシウム濃度も高い傾向が見られました。
今回の調査で最高値となったスギ林は、平成23年度の調査で最高値となったスギ林と同じ地点でしたが、その濃度は平成23年度の3分の1程度に低下し、スギ雄花1キログラムあたり約9万ベクレルでした。その他の地点についても、平成23年度の測定値と比較すると、一部ばらつきがあるものの、全体としては
半分程度の値でした。
また、今回の調査の最高値の濃度の放射性セシウムが、スギ花粉に含まれ大気中に飛散し、これを人が吸入した場合に受ける放射線量を、平成23年度と同じ前提条件で試算したところ(別添参考2参照)、1時間あたり最大0.0000715マイクロシーベルトとなり、これについても平成23年度の試算値(1時間あた
り最大0.000192マイクロシーベルト)の3分の1程度に低下しました。
4.今後の予定
農林水産省では、森林総研をはじめとして他の機関とも連携をしながら、調査を継続して実施していく予定です。
<参考>
・平成24 年2 月8 日付プレスリリース「スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について」
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/hozen/120208.html
<添付資料>(添付ファイルは別ウィンドウで開きます。)
(別添)平成24年度スギ雄花に含まれる放射性セシウムの濃度の調査結果について(PDF:796KB)
林野庁森林整備部研究・保全課
担当者:山口、菅野、中村
代表:03-3502-8111(内線6224)
ダイヤルイン:03-6744-9530
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