v10.0
- ID:
- 26800
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0208
- 見出し:
- 適正な樹林密度で気比の松原保全を 検討委が「100年構想」まとめ
- 新聞名:
- 福井新聞
- 元URL:
- http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/39891.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 日本三大松原の一つで、福井県敦賀市の名勝「気比の松原」の保全対策を話し合う検討委員会の第4回会合が6日、同市総合福祉センターで開かれ、整備基本構想をまとめた。100年間の長期的な保全を目指し、松の過密状態を解消して適正な樹林密度を保つとともに、行政と市民が連携した活動を
目指すとしている。
広さ32ヘクタールある気比の松原にはアカマツ、クロマツが群生。「白砂青松」の松原は、古くから市民の憩いの場や観光地として親しまれている。一方、松の育成に不向きな土壌の富栄養化が進んで樹勢が弱っているほか、松くい虫で年間200~300本が枯れている。このため、近畿中国森林管理局福
井森林管理署が昨年9月、保全団体や行政とともに検討委を立ち上げ、継続的な保全方針を審議してきた。
基本構想は「気比の松原100年構想」と名付けられ、樹勢や風雪害の状況などを紹介。樹林密度は昭和初期には1ヘクタールあたり375本だったが、昨年の調査では平均507本で、1千本のところもあった。そのため、枝が重なり合って日光が当たりにくくなり、幹が細い松が目立つようになったという。
構想では1ヘクタールあたり200~400本の樹林密度を目指し、伐採を行うことを示した。また近年、増加しているコナラなどの広葉樹も除去する。風雪害などで多くの松が一度に倒れて、植林の必要性があるときは、気比の松原で採取した種子で育てた苗を使用するとした。
土壌の富栄養化を避けるための落ち葉かきなどの作業には、市民参加を呼び掛ける。同署を事務局に、市民団体や企業、行政、学校、研究機関などで「気比の松原連絡協議会」(仮称)を年度内に立ち上げ、連携して保全に取り組むとした。この日の会合で、基本構想はおおむね了承された。同署では
、構想に基づき、具体的な整備計画を策定する。
基本構想を市民に周知するため、同署は23日午後1時から同市きらめきみなと館で「気比の松原100年構想シンポジウム」(福井新聞社後援)を開く。構想について説明するほか、パネルディスカッションを通して保全への機運を高める。参加無料。問い合わせ・申し込みは環境アセスメントセンター=☎
0770(24)5671。
..