v10.0
- ID:
- 30979
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0725
- 見出し:
- ナシの害虫、人工フェロモンで繁殖防止 県など考案し実証地域拡大
- 新聞名:
- 徳島新聞
- 元URL:
- http://www.topics.or.jp/localNews/news/2014/07/2014_1406246963472.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ナシの木の枝や幹を食い荒らすガの一種ヒメボクトウの幼虫による被害を防ぐため、雄と雌の交信をかく乱して交尾を防ぐ防除対策が徳島県内のナシ園で進められている。県と千葉大、信越化学工業(東京)などが共同で考案。既に実証実験で効果が確認されており、生産者は収量増に期待を寄せてい
る。
ヒメボクトウは成虫になるとすぐ、雌が性フェロモンを発し、雄がその匂いをもとに雌を探して交尾する。雌はナシの木の枝の裂け目などに産卵。ふ化した幼虫は羽化するまでの2、3年間、枝や幹を食べ続けるため、放置しておくと枯死する恐れがある。
防除対策ではこの性フェロモンを人工的に作り、チューブに封入。これをナシ園10アール当たり100本の割合で木につるし、雌を探す雄をかく乱して出合いにくくする。
県などは2011年度から3年間、県内のナシ園約220ヘクタールのうち、県内で最も被害の多い松茂、北島両町の約1ヘクタールで実証実験を実施。対策を施した区域の被害率は、11年度の約18%から13年度は約6%に下がった。
14年度は、より広域で効果を実証する調査も兼ね、鳴門市、松茂、北島、藍住、板野4町の約100ヘクタールで導入。ヒメボクトウの産卵期となる6月中旬から、約120戸の生産者が、信越化学工業から無償提供された約10万本のチューブを木に取り付けている。
県立農林水産総合技術支援センターによると、ヒメボクトウによるナシの被害は全国で初めて本県で確認され、01年ごろから目立ち始めた。その後、長野、茨城、福島などにも広がっている。
国の果樹生産出荷統計によると、本県のナシの生産量は減少傾向にあり、2000年の8450トンに対し、11年は5590トン。ヒメボクトウによる被害も一因となっている。
..