v10.0
- ID:
- 30939
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0719
- 見出し:
- 伐採の桜 次代へ挿し木・・・高知
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/kochi/news/20140718-OYTNT50098.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 高知市鷹匠町のたかしろ乳児保育園で、園舎建て替えのために伐採されるシンボルの桜を「挿し木」の苗木として残し、2年後に植樹することになった。18日には、園児や保護者らが参加して苗木作りが行われ、子どもたちは「大きくなってね」と挿し木した枝に呼びかけた。関係者は約50年にわたって親しまれ
てきた桜が、姿を変えて受け継がれる日を心待ちにしている。(仁木翔大)
市などによると、桜はソメイヨシノで、前身の市立保育園が開園した1965年に初代園長の父が寄贈し、園庭に植えられた。毎年春になると、淡いピンクの花で門を彩り、夏には木陰を作って園児に憩いの場を提供するなど、保育園の歴史とともに歩んできた。
しかし、開園から50年近くが過ぎて園舎が老朽化。地震・津波対策も必要なことから建て替えが決まり、駐車場のスペースを確保するためにも、桜を切らざるを得なくなったという。
そうした中、保護者から「桜を何とか残せないか」と声が寄せられ、保護者会役員の春田英樹さん(52)が、独立行政法人・森林総合研究所の知人に相談。挿し木から苗木を育てる方法を教えられ、今回の植樹計画がスタートした。
この日は同研究所林木育種センター関西育種場の担当者が枝を切り出し、園児18人が、保育士らに手伝ってもらいながら、長さ約20センチの枝を丁寧にポットに挿して約100本の苗木を作った。浜口真帆ちゃん(2)はポットを手に、「桜さんありがとう。また大きくなってね」と、秋には伐採される、こけむした
桜の木に語りかけた。
苗木は、同園や同育種場などで育てられ、順調なら2年ほどで植樹が可能な約1メートルに成長するという。高木志津園長(50)は「桜への感謝の気持ちを忘れず大切に苗木を育て、植樹した後は、今までと同じように末永く子どもたちの成長を見守ってほしい」と話していた。
..