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- ID:
- 30601
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0605
- 見出し:
- コアラの暑さ対策は「木に抱きつく」、アカシアなら5度も涼しく
- 新聞名:
- 時事通信
- 元URL:
- http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_all&k=20140604031344a
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- オーストラリアに生息するぬいぐるみのような動物のコアラは、汗腺がなく、めったに水も飲まない。そのためコアラが熱波をしのぐ方法は、長らく科学者たちの疑問だった。(写真はオーストラリア・シドニーの動物園ワイルドライフ・シドニーズーで、木の枝に座るコアラ)
だが4日の英国王立協会の専門誌バイオロジー・レターズに掲載された研究によると、コアラは周囲の環境よりも温度が数度低い木の幹に抱きつくことで熱波に対応していたことが分かったという。
コアラは熱波の際の死亡率が高い。コアラは、汗をかくことができないため息を荒くして蒸発冷却を行うが、野生ではめったに水を飲むことがなく、また水が必要な時には水が不足している場合が多い。
コアラの秘密を解明するため、動物学者のチームは2009年と2010~11年の冬から夏にかけて、オーストラリア南東部の野生のコアラ37匹を観察した。
暑い日のコアラは四肢を伸ばした状態でいる頻度が高く、木の幹や木の下の方の枝に抱きついているように見えた。また、暑くなるほどコアラは木の下の方に移動し、また食料であるユーカリの木以外の木で目撃されることが多かった。
これはユーカリの木の温度が気温よりも1.46~1.87度しか低くない一方、アカシアの木は約5度低くなることで説明がつくという。研究チームは、木の温度とコアラの行動から、暑い日にコアラは「かなりの量の」熱を体から木の幹に移していると結論づけた。
論文は「水の入手が制限される熱波の中で、この行動により水を節約できることは、コアラの種の生存にとって致命的に重要かもしれない」と指摘し、「この研究結果は、木の幹が地表の上にある『ヒートシンク(放熱器)』として重要な役割を担っており、コアラを含めた木に生息する動物に涼しいミクロ環境を提
供していることを示している」とまとめた。
コアラは絶滅が危惧される動物ではないが、専門家によると、人間による森林開発と共にその生息数は減少傾向にあるという。
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