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- ID:
- 30565
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0531
- 見出し:
- ヤシの木の化石 初公開 兼六園の「竹根石手水鉢」と同属
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2014053102100008.html
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 約六十年前に金沢市の犀川べりで見つかり個人宅で保管されていたヤシの木の化石が三十一日、金沢市銚子町の石川県立自然史資料館で初めて一般公開される。化石は兼六園内の茶室・夕顔亭の庭にある「竹根石手水鉢(たけねいしちょうずばち)」と同属の「パルモキシロン」で、出土は全国でも金
沢のみとされる。同館に化石を寄贈した地元の団体職員池田成夫さん(55)は「地域の自然史を知るのに役立てば」と活用を期待する。
直径二十七センチ、高さ十八センチ。重さは十八キロあり、見た目は一見普通の石。表面には小さな穴、側面には繊維の筋が見える。
池田成夫さん
写真
一九五二年に池田さんの祖父・幸太郎さん(故人)が犀川の桜橋付近で発見した。偶然にも同年、東京大教授によって手水鉢がヤシの木の化石と判明。これを知った幸太郎さんが調査を依頼し、池田家の石も同属の化石と分かった。池田家では座布団の上で大事に保管してきたが、多くの市民が観賞で
きるようにと寄贈を決めた。
化石は市内の地層などからも発見され、南蛮貿易由来とされてきた手水鉢が金沢産である可能性が高まった。池田家以外の化石は紛失したり県外に持ち出されている。
同館の桂嘉志浩学芸員によると、池田家の化石は保存状態が良く、発見の時期や場所も分かることから、史料としての価値が高い。桂学芸員は「夕顔亭の手水鉢との比較も面白いはず」と話している。公開は八月三十一日まで。
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