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- ID:
- 30538
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0528
- 見出し:
- 奈義のイチョウ、同DNAの個体 菩提寺と阿弥陀堂、町教委発表
- 新聞名:
- 山陽新聞
- 元URL:
- http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2014052822294984/
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 岡山県奈義町教委は28日、菩提寺(同町高円)にある推定樹齢約900年の国天然記念物・大イチョウが、南東へ約4キロの阿弥陀堂(同町小坂)のイチョウと同じDNAを持つ個体だった、と発表した。
大イチョウは、浄土宗の開祖・法然(1133〜1212年)が修行先の同寺境内に植えた阿弥陀堂の木の枝が芽吹いたとされていた。町教委は「言い伝えに学術的な裏付けが得られた」とし、観光に活用していく方針。
法然は現在の久米南町に生まれ、母方の叔父・観覚が院主を務める菩提寺で修行した。奈義町教委によると1141年ごろ、同寺に行く際、つえが折れ、阿弥陀堂の木の枝をつえにして寺まで歩いた。学業成就を願い、境内に挿したのが今の巨木に成長した―との昔話が残る。
町は2010、11年度、樹勢の衰えを町民に指摘されていた大イチョウの診断を元日本樹木医会理事で樹木医の原田照太さん(74)=真庭市=に依頼。原田さんが言い伝えの存在を知り、阿弥陀堂の木の状態が良好なことから「本当に同じルーツを持つのなら、今後の樹勢維持のヒントにつながる」とDN
A鑑定を勧めた。
境内には、大イチョウの折れた枝が地面に刺さり、育ったと伝わる木も巨木から13メートル離れた場所にある。町は計3本の遺伝子検査を原田さんに頼み、九州大大学院の白石進教授(森林遺伝学)ら3人も加わって昨年8月、若葉を集めるなど現地調査をした。
採取したデータは白石教授が同大に持ち帰り、約7カ月にわたって解析。その結果、全てDNAが同じであることが判明した。
大イチョウは根元を踏まれないよう周囲にロープを張るなど対策を講じ、比較的健全な状態にある。町教委は「法然が関係する木が3本となり、貴重な観光資源が増えた。町に人を呼び込むよう役立てていきたい」としている。
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