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- ID:
- 30482
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0521
- 見出し:
- 「若者が手にとる作品」が夢/ひと
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://www.asahi.com/articles/CMTW1405210600001.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ◆ 羽越しな織り研修生 高橋明子さん(20)
「シナの木の甘いにおいが好き。一つ一つ違う色もほんとうにきれいで……」。鶴岡市関川地区に伝わる国の伝統工芸品「羽越しな布」。4月から、その技術継承のための13期研修生となり、関川地区に住み込んで技術を一歩一歩学んでいる。
6歳でブックカバーづくりを始めたほどの手芸好き。県立米沢女子短大で国文学を学ぶ2年生だった昨夏、母に聞いて知った関川しな織センターを訪ねた。独特の風合いや感触に感銘を受け、「ここで伝統工芸の仕事に就きたい」と決意、10月には地区の観光イベントで「織り姫」に。年末に研修生に正式応
募して採用が決まった。
しな布は、シナノキの樹皮から取れる繊維を糸にした手織り物で、1200年の伝統を持つとも言われる。研修期間は2年間。樹皮をはぎ、あくを抜き、糸をよって織り上げるまで、21にも及ぶ工程のすべてを、ベテランから学ぶ。「まじめで筋がいい」と先輩たちの評価も上々だ。
「今はまだ糸が切れてばかり」と謙遜しつつ、「若い人にも手にとってもらえるような作品を作れるようになりたい」と夢を語った。(溝口太郎)
たかはし・あきこ 鶴岡市出身。3月に県立米沢女子短大国語国文科を卒業し、実家から約30キロ離れた関川に移り住んだ。「鶴岡で工芸の仕事に就くのが夢だったんです」
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