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- ID:
- 29980
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0325
- 見出し:
- 校庭のアコウの木に別れ 南さつま市、閉校の玉林小で卒業式 校庭のアコウの木に別れ 南さつま市、閉校の玉林小で卒業式
- 新聞名:
- 西日本新聞
- 元URL:
- http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/77778
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 鹿児島県内のほとんどの公立小学校で卒業式があった24日、創立135年の本年度で閉校する同県南さつま市笠沙町片浦の玉林(ぎょくりん)小では、最後の卒業生6人が巣立った。在校生31人や教師、地域住民に祝福されながら、校庭の大きなアコウの木に別れを告げた。
「庭に高き 大木のごとく われら鍛う 平和の力」-。6年生は最後の校歌を歌いながら、何度も涙を拭った。1959年に1091人だった児童数は、過疎化と少子化で減少。在校生と新入生は4月から、笠沙、赤生木(あこうぎ)の2校と合併した新しい笠沙小に通う。
57年に作られた校歌にも登場するアコウの巨木は、91年9月の台風19号で倒れてしまった。だが職員や地域住民は「学校のシンボルを何とか残そう」と、木の一部を植え替えた。樹勢はよみがえり、いまでは編み目のように絡み合った木は幹回り約20メートル、高さも校舎の3階まで成長した。木は閉校
後も残される。
傘のように広がる枝葉の木陰で、子どもたちは読書や鬼ごっこをして過ごした。葉が落ちる秋には、登校した子どもたちが自主的に落ち葉を掃除した。6年生の中尾綾香さん(12)は「閉校は寂しいけど、1年生のころに木登りをして遊んだのはいい思い出」と笑顔。中尾さんの両親と祖父も同小の卒業生で、
父久義さん(54)は「思い出の木と一緒にのびのび成長してくれてうれしい」と娘の晴れ姿に目を細めた。
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