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- ID:
- 29608
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 0205
- 見出し:
- スギの幹内部の色を音で判別
- 新聞名:
- 山陰中央新報
- 元URL:
- http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=544047004
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 島根県中山間地域研究センター(飯南町上来島)農林技術部の陶山大志主任研究員(40)が、スギの幹をハンマーでたたき、発生する音の周波数で内部の色を判別する技術を全国で初めて開発した。間伐する木を選ぶ際に使い、良質な木材生産に役立つことが期待される。2014年度中に同技術を備
えた簡易診断装置を商品化予定で、実用につなげる。
陶山研究員は研究内容を論文にまとめ、日本木材学会が1月25日発行した「木材学会誌」で発表した。
スギの幹内部には心材と呼ばれる芯があり、この部分の色が赤だと良質で、黒だと板などの製材として扱う価格が半減する。間伐せず樹齢80年程度の大木まで育てても、2~5割は板などに使えないという。
これまでも、伐採前に色を判別する技術の研究はされていたが、装置が大きかったり精度が悪かったりして、実用化されていない。陶山研究員は、ハンマーで木をたたき周波数を測る簡易な手法に着目。周波数と幹内部の色の関係性を調査、分析した。
県内4市町で08~12年度、スギ74本(樹齢33~56年)を対象に音の測定後に伐採し、幹内部の心材の色を▽赤▽茶▽黒―の3段階に分類。周波数も高中低に分けて照合したところ、周波数が高いと心材は赤か茶で、低くなるにつれて黒に近づいていく結果が得られた。
同センターは10年、樹木内部の腐食具合を音の周波数で初期診断する装置「ぽん太」の開発に携わった経緯があり、同装置を改良し、色の判別を診断する機能を備える予定。
陶山研究員は「大木に育てた後に損をしないよう、本当に良質な木かどうかを最終確認するために使ってほしい」としている。
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