v10.0
- ID:
-
29099
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 1126
- 見出し:
- 梅の摘心処理で剪定時間が半分に みなべで実証調査
- 新聞名:
- 紀伊民報
- 元URL:
- http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=264047
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 和歌山県とみなべ町、JAみなべいなみは26日、梅の木に「摘心処理」という技術を施すことによって、剪定(せんてい)作業がどれくらい省力化できるかを実証するための調査を同町西本庄にある実証モデル園で行った。摘心処理をした木は処理をしていない木と比べ、剪定時間がおよそ半分だった。剪定し
た枝の重さも4分の1と少なく、県うめ研究所(同町東本庄)は「労力が大きく減らせる」と話している。
同研究所によると、摘心処理は春に太枝から出てくる新梢を4月と5月の計2回、10センチ程度残して摘み取ることで実のなる枝にするという技術。同研究所が技術を確立し、関係機関が普及に力を入れている。摘心処理をした場合、処理をしていない木(慣行樹)と比べて収量が増える、剪定が必要な枝
が減るなどのメリットがあるという。
この日は2011年度から若木での摘心処理の実証モデル園となっている谷本隆夫さん(60)の園地で「実際にどのぐらい剪定の時間を短縮できるかを調べたい」と関係者5人が調査に取り組んだ。
エアばさみを使った場合、摘心処理をした木が平均8分だったが、処理していない慣行樹は15分、手ばさみの場合は摘心した木が16分、慣行樹が34分だった。剪定した枝を集めて重さを量ったところ摘心処理をした木の平均4・6キロに対して、慣行樹の平均は18・3キロで大きな差が出た。
摘心処理にかかる時間は、手で摘んだ場合、1平方メートル当たり1分ほど。9年生の木では1本25分程度かかるものの、同研究所の竹中正好主任研究員(50)は「摘心の時間は刈り込みばさみなどを使えばさらに短縮できるし、剪定した後に枝を片付ける労力も比較に加えると、圧倒的に摘心をした方
が省力化できる。しかも、剪定と比べて摘心は初心者でもできるやさしい技術」と話す。
谷本さんも「摘心を行った方が収量も増える。やればやっただけ効果があると実感している」と話している。
同研究所によると、実証モデル園でのことしの収量も、9年生の慣行樹1本当たり平均16・6キロに対して、摘心処理した木は1・6倍の平均26・7キロだったという。
..