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- ID:
- 28693
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0929
- 見出し:
- ドングリ集め広葉樹再生 クミアイ化学が工場で苗木づくり
- 新聞名:
- 河北新聞
- 元URL:
- http://www.kahoku.co.jp/news/2013/09/20130929t13025.htm
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 農薬メーカーのクミアイ化学工業(東京)は宮城県美里町の小牛田工場で、東日本大震災で被害を受けた県内の広葉樹林再生を目指す「どんぐりプロジェクト」を始めた。県内でコナラなどのドングリを集め、敷地内にあるリンゴの試験圃場などで苗木を育て継続的に植林する。ドングリを集められる森の地
図も作る方針で、情報提供を呼び掛けている。
沿岸部では松など針葉樹が海岸沿いに生え、その周辺の公園や鎮守の森などに広葉樹が茂るなどしていたが、津波でともに被害を受けた。広葉樹は接ぎ木が必要で針葉樹より成長が遅く、苗木の供給体制も十分に整っていないという。
同工場はコナラやミズナラ、クヌギのドングリを約4年かけて苗木にする予定。生育にはメーカーとしての化学的技術や知識を生かす。順調に進めば毎年約1万本を被災地に供給する計画だ。
ドングリは乾燥に弱く短命で、育てるためには落下して間もない10月中に集めることが必要。同工場は、ドングリを食料にしている動物や植樹場所への環境に対する配慮などから、県内産にこだわって、広い範囲から少量ずつ集めることにしている。
今後は「どんぐりマップ」の作製のほか、ドングリの保管技術も確立させる方向。学校林を抱える地元の小牛田農林高との連携も図りたい考えだ。
小牛田工場内にありプロジェクトを担当する同社生物科学研究所東北研究センターの三浦一郎センター長は「将来的にはマップを基に、ドングリ拾いや植樹などで住民との交流も深めたい」と説明。梶原郁夫工場長は「命と自然を守り育てる会社の理念に沿ってプロジェクトを進めたい」と語る。
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