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- ID:
- 28258
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0806
- 見出し:
- 幻の木遣り歌復活 小松・木場潟を発信
- 新聞名:
- 北國新聞
- 元URL:
- http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20130806104.htm
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 明治期に東本願寺(京都)の再建に使う木材を運搬する際、小松市の山間部で歌われた 「木遣(や)り歌」がよみがえった。曲調が分からない「幻の歌」だったが、半世紀前の 録音テープが見つかり、市内の民謡団体が復活させた。巨木やのぼり旗を用意して当時の
様子も再現し、木場潟が木材の一大集積地だった歴史を発信する。
真宗大谷派小松教務所の資料によると、小松市には西俣町、丸山町などに歌詞が異なる 木遣り歌が伝わり、日用町の「有川家」のように個人所有の木を運搬した際の歌も残る。
いずれも同様の曲調とされるが、曲を明確に記した資料はなく、歌の存在を知る住民も 少なくなった。
テープは木場潟民俗資料保存会の吉田彦右エ門元会長(84)=小松市木場町=の自宅 に保管されていた。1962(昭和37)年の尾小屋鉱山閉山式で披露された西俣町の歌 が録音されており、民謡山本会の山本正之会主(68)=同市戸津町=がテープの存在を 知って提供を受けた。
民謡山本会は歌の練習に励んでおり、25日に小松市公会堂で開かれる市公民館連合会 の「ふれあいフェスティバル」で披露する。山本さんは、当時の運搬を再現する舞台道具 も手作りした。スギの板や皮を組み合わせて直径50センチ、長さ約4メートル、重さ約
70キロの「大木」を作り、文献に基づく「東本願寺同行中 赤瀬邑(むら)」と書いた 赤旗なども用意した。山本さんは「木遣り歌を多くの人に知ってもらい、木場潟で開かれ る全国植樹祭を盛り上げたい」と話した。
●東本願寺の再建 1879(明治12)、1907(同40)年に行われ、加賀地域の 門徒が自慢の巨木を寄進した。小松の大杉、日用、粟津、赤瀬などのケヤキ、マツ、スギ が切り出され、木遣り歌を響かせながら人力のみで木場潟に集め、水運で安宅に運んだ。運搬中には死亡事故が多数発生したとされる。
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