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- ID:
- 27808
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0604
- 見出し:
- 路地裏歩きと懐かしの味 下町の代表、荒川区町屋
- 新聞名:
- 47News
- 元URL:
- http://www.47news.jp/localnews/tekuteku/sanpo/242012.php
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 東京の下町といえば、町工場や商店街があって、住宅が肩を寄せ合う光景が思い浮かぶ。都電が走る荒川区町屋かいわいは、そんなイメージがぴったりの場所。迷路のような路地裏を歩き、懐かしの味に再会した。
始発の三ノ輪橋駅から都電荒川線に乗り込む。沿線は5月から6月にかけてバラが見頃を迎えるが、出かけた際は、色づき始めた桜が目を楽しませてくれた。町屋駅前には商店街が連なる尾竹橋通り。北進すれば、隅田川と荒川を越え足立区へ至る。
「川を使って木材を運びやすかったから、鉛筆や家具の工場が集まったんだよ」。こう振り返るのは前田鉛筆製作所の
前田允さん(82)だ。最盛期には周辺に約50軒の鉛筆工場があったそうで、今も5軒ほどが町屋に残る。時代物の機械がどことなく優しい音を響かせる小さな工場。塗装が済んだ出来たての鉛筆を手に取ると、木のぬくもりが伝わってきた。
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区画整理とは無縁のような街並み。表通りから一本入れば、道は蛇行し、細い路地の両側を植木が占拠する。袋小路との格闘の末に探し当てたのが、創業50年を迎えた100円もんじゃの店。残念なことに、一人で切り盛りしていたおばあさんが亡くなったばかりだった。
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周囲は月島や浅草と並んでもんじゃの店が多い。もともとは子供たちが駄菓子屋で食したおやつ。水で溶かした小麦粉をソースで味付けして鉄板で焼く。“大人食”に昇格した今は豪華になったものだが、当時の具材はキャベツと…。
後日、地元の友人と仕切り直した。円形の土手をつくらず、全てを一度に流し込んで焼くのがこちらの流儀。「悪くはないな」。昔話に花が咲き、もつ焼きの店をはしごする羽目になった。
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