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- ID:
- 27573
- 年度:
- 2013
- 月日:
- 0507
- 見出し:
- ヒノキ不足、初の代用材
- 新聞名:
- 朝日新聞
- 元URL:
- http://www.asahi.com/national/articles/NGY201304180025.html?ref=com_fbox_d2
- 写真・動画など:
- なし
- 記事内容
- 今回の式年遷宮では、青森県産のヒノキアスナロが使われている。ヒノキ科のアスナロの変種で、一般的にはヒバと呼ばれる。
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神宮司庁によると、ヒノキアスナロの割合は全体の約15%。これまでの遷宮では、耐水性が強く建築材としては最良のヒノキが使われており、初めて代用材に頼ることになった。
これは、年輪を重ねた天然ヒノキの大木が激減してきていることを意味する。
江戸時代中期からのヒノキ調達先、長野・岐阜両県の木曽山。管理する中部森林管理局によると、天然の木曽ヒノキは里山の民有林にはなく、国有林にしか残っていない。資源量も昨年3月末で325万立方メートル。その10年前より15万立方メートル、35年前より185万立方メートル落ち込んだ。
それにしても、アスナロという名には、もの悲しい響きがある。
「明日は檜(ひのき)になろうと思いながら、決して檜になれない」との意味に由来する名とされ、日の目を見ない哀れな木、という扱いを受けてきた。
それでも、1124年建立の中尊寺金色堂(岩手県平泉町)などにも使われている。耐久性はヒノキと比べても遜色なく、神宮司庁も「問題ない」と太鼓判を押す。
ただ、ヒノキアスナロが使われるのは、内宮の宇治橋や外宮の火除(ひよけ)橋など。参拝者たちがぬかずく「檜舞台」からはやや離れた、大勢に踏まれる場所だった。
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