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- ID:
- 33453
- 年度:
- 2015
- 月日:
- 0709
- 見出し:
- 富岳館高生、宮城で土壌改良 11日に
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20150707-OYTNT50138.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 東日本大震災による津波の塩害で弱った桜の木の勢いを取り戻そうと、県立富岳館高校(富士宮市)の農業クラブ・キノコ班の生徒2人が11日、宮城県東松島市で、班が開発した、植物の塩分への抵抗力を高める効果が期待される物質の含まれるチップを使い、土壌改良に挑戦することになった。班の生
徒たちは「被災地の緑を復活させることができれば」と話している。
班を代表して東松島市で作業を行うのは、3年の飯島大さん(18)と1年の伊東俊輔さん(15)。同校農業クラブ顧問の望月基希教諭(41)と、富士市の樹木医で、被災地で緑の復活に取り組むNPO法人「樹木いきいきプロジェクト」の喜多智靖理事長(42)の計4人で現地で活動する。
キノコ班は過去に、特定のキノコから抽出した植物の成長を促す物質AHX(アザヒポキサンチン)を製紙業の廃材と混ぜた「チップ」を、温暖化した畑に見立てた温室のトマトに与えて枯れずに育つかを検証。「コカ・コーラ環境教育賞」優秀賞に輝いた実績を持つ。
同班は静岡大の協力も得ながら、このチップを使い、植物の塩分や乾燥、高温への抵抗力を増すことができるかなどの研究を続けており、耐塩性がありそうなことも分かってきたという。
今回は、東松島市内の60歳代の夫婦宅にある桜の木の土壌改良に挑戦する。庭全体が完全に津波につかったが、「この桜だけは絶対に守りたい」と除塩などの依頼を受けた喜多理事長が、キノコ班の活動を知って持ちかけたという。
当日は、中和剤などをまき、土壌の塩分濃度を下げたうえで、キノコ班が開発したチップをサクラの根元に散布し、桜自体が塩分に強くなれるかを検証する。喜多理事長は「早ければ夏から葉が増える。来春にたくさん花が咲いたら成功」と話す。
初めて被災地を訪れる2人。飯島さんは「桜を再生できれば、海沿いの松林などの再生にもつながるのでは」、また、伊東さんは「先輩から受け継いだ研究を成功させ、新たな可能性を生み出したい」と、それぞれ決意を語った。
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