v10.0
- ID:
-
32945
- 年度:
- 2015
- 月日:
- 0422
- 見出し:
- 今年こそ納得のいく桜の写真を撮る
- 新聞名:
- 日経ビジネスオンライン
- 元URL:
- http://business.nikkeibp.co.jp/article/jagzy/20150311/278558/
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 春といえば、やはり桜! 前編
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2015.04.22笹沢 隆徳・新間 健介
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心は少年、されど一流、師を持つ
カメラ好きならずとも、思わずカメラやスマホを向けてしまうほど、桜は被写体としてポピュラーな存在だ。この期間は、桜の写真がちまたにあふれている。それゆえにカメラ好きを自認する身としては、見た人に「おお!」っと思わせる桜の写真をPCスクリーンに仕込んでおきたい。美しい桜を撮るため選んだカメラ
は、描写力の優れた「Nikon D810」。指南役のプロ写真家、土屋明氏とともに都内の桜の名所に出かけることにした。桜前線は5月初旬まで北上を続けるので、これから開花を迎える地方への撮影旅行に役立ててほしい。(写真=土屋明)
桜をきれいに撮るポイント
桜の名所で撮影をする前に、まずは近所の桜を被写体にして、桜の撮り方の基本を指南役の土屋氏から伝授してもらった。
第1に重要なポイントは天気。青空を背景にした桜は、それだけで美しい。だが、単に青空の下で撮影しただけでは芸がない。円偏光(C-PL)フィルターを装着し、順光で撮影すれば、花や空の色をいっそう鮮やかに写すことができる。
2つめのポイントは、桜の木を全部写す必要はないということ。全体を写そうとすると、花見客や提灯などが映り込むことが多い。余分なものは入れず、写真をすっきりさせることで桜の美しさを強調できるのだ。
この2つのポイントを実践したのが写真1。レンズはD810のキットレンズを使用した。桜の隣に電柱が立っていたが、木の上部のみに焦点を定め、電柱や電線はカット。青と薄いピンクのコントラストがハッキリとして、爽やかな写真となった。
写真1 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR、f8、1/200秒、ISO400、ホワイトバランス:晴天
[画像クリックで拡大表示]
次のポイントは、露出の設定について。桜の花びらはピンクとはいえ白に近く、ファインダー内が桜であふれるような構図にすると、カメラは「明るい状況なので、被写体が暗く写るように」適正露出を設定してしまう。すると、見た目よりも花の色が暗い感じに写ってしまうのだ。それを防ぐには、露出をプラス方向
に補正するのが望ましい。カメラが決めた適正露出よりもプラスに1.3補正したのが、次の写真だ。
写真2 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR、f4、1/1000秒、ISO400、ホワイトバランス:晴天
[画像クリックで拡大表示]
最後のポイントは、レンズを換えて撮ること。桜は引きでも寄りでも絵になる被写体だけに、マイクロレンズや広角レンズ、望遠レンズなどで撮り比べてみるのが楽しい。例えば、桜並木を望遠レンズで撮影すれば、圧縮効果というレンズの特性によって、遠くの桜が近くにあるように収めることができるのだ。次の
ページから、各レンズの特性を生かした桜の撮り方を紹介する。
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