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- ID:
- 31876
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1128
- 見出し:
- ガジュマル写真 命宿す 秋田さん、栄で遺作展
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20141128/CK2014112802000052.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 尾張旭市出身の写真家秋田淳之助さんの遺作展「原霊樹-奄美のガジュマル」が三十日まで、名古屋市中区栄四の市民ギャラリー栄で開かれている。淳之助さんが生前撮りためたガジュマルの写真を、妻の好恵さん(76)が出展した。
淳之助さんは愛知学芸大(現愛知教育大)美術科を卒業後、同大や名古屋造形大などで講師を務め、写真家としても活動した。二〇〇三年に鹿児島県奄美市美術展の出展作品を審査するため奄美大島を訪れ、ガジュマルに出合った。
その後も審査で毎年島を訪れると、ガジュマルが気になるようになった。三年後から「フィールドビューカメラ」などで撮影、よりきれいに見える大きなフィルムを使った。だが、淳之助さんはがんのため〇九年、七十一歳で亡くなった。
好恵さんが一一年に東京都の自宅で遺品整理をしていたとき、ガジュマルのフィルム約二百五十点とプリントした写真がファイル二冊にまとめられているのを見つけた。淳之助さんが個展を開くため準備していたもので、好恵さんは「これは私に託されたもの。代わりに個展を開こう」と決めた。
被写体を知るため奄美大島に行った。ガジュマルは、以前そこにあった木を覆うように生える。幹はいくつにも分かれて茂り、幹から根を垂らす。淳之助さんがガジュマルの生命力に引かれたことが分かった。遺作の中から三十三枚を選び、A1判やB1判にプリント。縦二・五メートル、横一・二メートルの布に
印刷した作品も用意した。
遺作展は東京、大阪などに続いて、今回の名古屋で最後。好恵さんは「彼の原点である名古屋に帰って来られてよかった。写真から木の発散するエネルギーを感じてほしい」と話している。
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