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- ID:
-
31861
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1126
- 見出し:
- スギやヒノキのおがくず 食用パウダーに
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- スギやヒノキのおがくず食用パウダーに
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 静岡理工科大・志村教授ら特許出願
食用のパウダーに使うスギ、ヒノキのおがくず
写真
静岡理工科大(袋井市)の志村史夫教授(66)らは25日、スギやヒノキの丸太の製材で出るおがくずを食用パウダーに加工する方法を確立し、特許出願したと発表した。浜松市中区のホテルで同日、パウダーを練り込んで試作したパン、ドーナツを披露した。
製材を手掛ける天竜T・S・ドライシステム協同組合(浜松市天竜区水窪町)が、天然乾燥させた天竜産スギ、ヒノキのおがくずを提供。雑穀料理の店つぶ食(しょく)いしもと(同)が、パウダー化に協力した。食材を押しつぶして細かくする専用の調理器具マッシャーや、ふるいを使い、小麦粉ほどの細かさにす
る方法を確立したという。
ドーナツ、パンの試作を担当した、つぶ食いしもとのおかみ石本静子さん(75)は「うちで出している粟(あわ)などの雑穀と似た感じで、食材として使うのに違和感はなかった」と話す。試作では、スギとヒノキのパウダーを生地全体の約三割とたっぷり練り込み焼き上げた。パンをかむとスギやヒノキの精油成分
が口に広がり森林の香りで満たされる。味は特にない。
志村教授は「パウダーは素朴な木の香りが魅力。これまで捨てていたおがくずが食べられるとなれば、山奥の廃校がパン、パスタの工場に変わっていったり、林業の振興の一助にもなるかもしれない」と期待をかける。
今後パウダーを有料で提供できるよう保健所にも許可申請するほか、スパゲティ、そばなど試作の対象を広げる予定という。
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