v10.0
- ID:
-
31786
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1116
- 見出し:
- 能登ヒバでユニーク商品 開発者の会結成
- 新聞名:
- 読売新聞
- 元URL:
- http://www.yomiuri.co.jp/local/ishikawa/news/20141115-OYTNT50409.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- ボールペン、眼鏡…続々と
石川の県木「アテ(能登ヒバ)」の魅力を発信しようと、多様な職に携わる県内の有志15人ほどが「能登ひばの会」を結成した。木材価格が低迷する中、眼鏡やサーフボードなど付加価値を高めた商品開発を進めており、県産アテ製品のブランド化を狙う。
アテは、輪島市などを中心に、2012年3月末時点で県内約1万2000ヘクタールに渡って分布。耐久性や耐水性に優れており、建築資材に多く用いられる。県は1997年以降、「能登ヒバ」のブランド名を付けて流通拡大を図っている。
ただ、県森林管理課によると、能登ヒバの丸太1立方メートルあたりの価格は70年代に3万8000円ほどだったのが、10年には約1万4000円まで下落。現在は若干回復したが、「流通の多い外国産に押されている」という。
ヒバ製の眼鏡を製作した小見さん(金沢市此花町で)
能登ヒバの魅力を発信して需要を掘り起こそうと、「鳳至木材」(輪島市)専務の四住一也さん(52)が中心となり、今年7月に同会が発足。四住さんは、建築木材を作る傍ら、「能登ヒバの魅力を消費者に知ってほしい」との思いから、能登ヒバ製のボールペンや箸を製品化。抗菌成分「ヒノキチオール」を含
む特性を生かし、入浴剤や消臭剤に活用できる蒸留水も開発した。商品数を拡充することで、イベントなどで人だかりができるほどになったという。
サーフボードを製作中の寺内さん(かほく市上田名で)
メンバーは能登から加賀まで県内全域の15人ほどで、それぞれ本業に沿った製品開発に取り組んでいる。「おみメガネ」社長の小見平治さん(金沢市)(53)は今年3月、能登ヒバで眼鏡を製作。材質の柔らかさが課題だったが、鳳至木材から購入した圧縮材を用いることで完成にこぎつけた。小見さんは「
ヒバのいい香りが漂う眼鏡になった」とアピールする。
「環日本海環境協力センター」(富山市)研究員の寺内元基さん(かほく市)(38)もメンバーの一人で、現在、サーフボードを製作中。山や海の環境問題に関心がある寺内さんは、「これを使って波乗りをすれば、里山の環境にも目を向けてくれるのでは」と期待を寄せる。
ほかにも、オーディオスピーカーやおもちゃなど、製品作りの動きは着々と広がっている。いずれも、作り手が開発を楽しんでいるのが共通点だ。
四住さんは「地元の木を地元で使うのは素晴らしいこと。多くの人に魅力に気づいてもらうことで地産地消を進めていきたい」と話している。
..