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- ID:
- 31667
- 年度:
- 2014
- 月日:
- 1030
- 見出し:
- 図書館の桜、枯死の危機 小牧、延命策検討へ
- 新聞名:
- 中日新聞
- 元URL:
- http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20141030/CK2014103002000056.html
- 写真・動画など:
- 【写真】
- 記事内容
- 小牧市立図書館のシンボルとなっている正面玄関前の桜の木が枯死の危機にある。老木の上、根元をコンクリートで固められた過酷な環境が重なって、幹の表面のうち、六割がもう生きていない。図書館は二〇一七年度末ごろの移転、建て替えが決まっており、それまでは延命を図る方針だ。
桜の植樹に取り組む「小牧さくらの会」や図書館によると、この桜はソメイヨシノで、高さ約八メートル。大正から昭和初めにかけて植えられたと推定される。今春も満開の花を咲かせ、来館者を楽しませた。
しかし、残された命はそう長くない。今月半ば、木を調べた樹木医の大野光義さん(67)=同市間々本町=は「既に老年期に入り、一部は腐って生命活動がない」と指摘する。高さ一・二メートルの部分の幹回りを調べたところ、二・三メートルのうち、生きている部分は四割ほどの計〇・九五メートルだった。
大野さんによると、植えられている環境が特に悪い。現在の図書館は一九七八(昭和五十三)年に建てられた。その前から植わっていた桜の木の場所は二階の玄関へ上がる階段の真横で、木にとっては窮屈だ。さらに、根の周りには階段のコンクリートやアスファルトが敷き詰められている。
今年4月、満開となった桜=小牧市立図書館で
写真
大野さんは「根元が押さえ付けられているため、根に酸素が行き渡っていない。その結果、根とつながる幹や枝が死んでしまった」と説明する。
そもそもソメイヨシノの寿命は九十年ぐらいで、これから延命しながら維持できても、命はあと数年ほどだ。それでも、図書館の山田久館長は「桜は図書館のシンボル。簡単には切れないので、延命する方向で考えたい」と話す。根元の改良は多額の費用がかかるため難しいが、まだ元気な枝だけを残して刈り
込むなど、さまざまな延命策を検討するつもりだ。
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